医療費や介護費用など、定年後の出費がかさばるなか、退職金は会社員の老後生活において非常に重要な収入です。しかし、自分の退職金がいくらかを正しく把握している人は決して多くないでしょう。そこで、『定年までに知らないとヤバイお金の話【最新版】』(彩図社)の著者でファイナンシャルプランナーの岡崎充輝氏が、定年までに知らないと損をする退職金のキホンを解説します。
定年後の収入をきちんと把握する
私たちが定年後生活していく上でもっとも大切なことは、現実をきちんと把握するということです。
特に、多くの人はサラリーマンという立場で会社組織に守られてきました。定年後、この後ろ盾がなくなるというのは、かなり大きな変化だと思うのです。少しでも早く準備を始めてください。
自分の退職金はいくら?
さて、定年退職といえば、なんといっても「退職金」。
いやー、いい響きですね。でもどうでしょうか? 自分が受け取る退職金ってどれぐらいか、把握されていますか?
多くの方にライフプランのアドバイスをしていると気づくのですが、かなりの方が、自分が退職金をいくらぐらいもらえるか、ご存じないのです。
私は、今の仕事をする前は準公務員をしていました。だから当然、就業規則も給与規定も退職金規定も整備されていたし、定年まで勤めればどれぐらいの退職金が支給されるのかも見当がついていました。
皆さんはどうですか?
ちなみに、就業規則や退職金規定は、必ず従業員が閲覧できるようにしておかなくてはいけない決まりになっています。つまり、皆さんがその気になれば必ず確認することができるはずなのです。
しかし、もうひとつ重要な事実があります。もしかすると、勤め先によっては、就業規則の中に退職金規定が記載されていない場合があります。
じつは、退職金というのは、会社として必ず支払わなければならないものではないのです。
つまり、退職金規定がない場合、その勤め先から退職金が支払われない可能性もありますし、支払われないからといっても、法律違反ではないのです。
なにはともあれ、次の3つを確認する必要があります。
・もらえるのであればいくらぐらいもらえるのか
・もらえる場合、どんなふうに支払われるのか
退職金の支給例としては、大きく分けての3つのパターンがあります。
一括払いや分割払いは、そのもらい方は異なるにしろ、退職金規定で支給される金額が示されているので想像がつきやすいかと思います。
ですが、確定拠出年金(401k)については、その言葉からしてややこしそうですから、少し解説をしていきましょう。