企業の工場や生産現場において生産ラインの設計や管理を行う仕事、「生産技術」。本稿では、生産技術職YouTuber“生産技術の馬”氏の著書『生産技術あるある』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋し、生産現場や工場勤務でありがちなことを見ていきましょう。他業種の方でも思わず「あるある!」と共感してしまう内容です。
上司「1回聞いたら覚えろ!」⇒上司「総務さん、封筒ってどこ?(n回目の質問)」【生産技術あるある】 (※写真はイメージです/PIXTA)

しょうもない仕事を頼まれる ~生産技術職あるある

■(自分で調べろよ…)な案件でわざわざ呼び出し

しょうもない仕事といったら怒られるかもしれませんが、本当にしょうもないので紹介します。

 

これは現場のオペレーターが正社員の場合によくあるのですが、事務所でのんびり生産技術者が仕事をしていると、現場から携帯に電話がかかってきます。そもそも現場に呼び出されるというのは生産技術職ではよくあることなのですが、この呼び出す内容に問題があるものです。

 

まともな呼び出しなら、設備から変な音が鳴っているとか、配管に穴が空いているから補修依頼を出してほしい、みたいなことが多いです。しかし、現場の人からは、「パソコンの使い方がわからない」「欲しい部品の型式がわからない」みたいな、(自分で調べろよ…)と思うようなことでも電話をかけて呼び出してくるのです。

 

電話越しで調べ方などを伝えようとしても、「よくわからんから来て」と言われてイライラしながら向かうことになります。(しっかり人に迷惑をかけているという意識が垣間見えれば、こちらとしてもしょうがないか…)と思うのですが、呼び出しておいて横柄な態度を取る人もいるので厄介ですね。人の時間を何だと思っているのでしょうか。

 

今までで一番よくあった呼び出しが、「急にネットにつながらなくなったから来て」ですね。

 

90%の確率で一番近いHUBからLANケーブルが抜けているだけです。ひどい人は自分のパソコンからLANケーブルが抜けていることにも気づきません。半分ぐらいの人が自分で調べる前に電話をかけてきて、解決してもらおうとするのです。

 

■とはいえ、ギブアンドテイクの精神が重要

なぜ自分の仕事でいっぱいなのに、パソコン教室の先生のようなことをしなければならないのか、と何度も思ったことがあります。ただ、これらを全部自分で調べてくださいと突っぱねてしまうと、今度自分が何か教わろうとしたときに無視されることもあり得るので、できればしっかり対応しておいた方がいいです。

 

現場の人はパソコンやスマホに詳しくなくても、設備については詳しかったり、生産ラインでのトラブル時にありがたい助言をくださることがあるので、学ぶこともたくさんあります。

 

こういったギブアンドテイクの精神が非常に重要で、自分の仕事を円滑に進めるためにも、しょうもないことを頼まれてもスピーディにこなす意識が生産技術者には必要です。

 

ただ、稀に全くギブしないが、テイクばっかり求めてくる上に、先ほど記載したような最高にしょうもない内容で呼び出してくる輩もいますので、そんな人はギブしてあげる必要はないですね。こちらにもメリットがありませんから。

物の場所を聞かれる ~工場の総務あるある

■自分で探す前に「総務さん、あれってどこ?」

これはそこまで規模が大きくない、社員100人以下の工場にありがちです。

 

工場によって物の置き場とか、管理者とかは異なっているので一概には言えませんが、私の勤務する工場ではいろいろな物、特に事務的な作業のとき使用するものは事務所に置いていました。もちろん工具やハサミ、のりなどの文房具みたいな毎日誰かが使うようなものは現場にも置いていましたが、封筒や付箋といったものは事務所にしか置いていませんでした。現場の人がそういうものを欲しいときに、事務所に来て総務の方に、「あれってどこ?」と聞くまでが必ずセットになっています。どんなものでも絶対に聞かれます。

 

総務の方はいろんな人に何回も物の場所を教えて、なんなら同じ人に同じことを何回も教えている場合もあります。総務の人も渋々教えることにしていますが、仕事に集中したいときにフラッと事務所に現れて質問によって集中を阻害してくるのですからかなり厄介ですよね。

 

私の工場では基本的に事務所で使うような小物は総務が発注して、総務が片付けているのでそういった物の場所は全て総務が聞かれる運命にあります。しかも現場の人も場所を覚えようとしないのですよね。

 

基本的に彼らは「聞いた方が早い」という思考回路になっていて、聞くことによって他人に迷惑をかけるかもしれないというところまで考えることができる人は少ないので、もはや自分で探す前に物の場所を聞いてしまいます。

 

■総務には「忍耐力」が、現場の人には「自分で探す」という意識が求められる

これは「しょうもない仕事を頼まれる」の項で記載した通りの考え方です。自分たちは部下や後輩を指導するときに、「2回同じことを聞くな!」と指導するのですが、本人は他の人に余裕で2回以上同じことを聞いてしまっているのです。もう少し自分の行動を見返してほしいものですね。かくいう私も、総務の方に2回以上同じ物の場所を聞いたことはありますけどね。

 

さすがに私は事務所で仕事をしているので、もちろん最初は自分で探しますよ。自分でも思いますけど、本当に物の場所とか覚えられないですね。

 

工場で総務をやろうとしている方は、こんなふうに何回も同じことを聞かれることに耐えなければいけません。もっと規模が大きい工場の場合はそもそも備品の管理を総務がしていないことが多いので、こういうことは少ないかもしれませんね。特に男性の皆さん、備品の場所は大雑把にでも覚えておいて、自分で探せるようにはなっておきましょう。総務は総務で忙しいですからね。

 

 

生産技術の馬

生産技術職YouTuber

 

大阪出身。神戸大学の大学院を卒業後、生産技術者として工場で勤務。大手電機メーカーと大手食品メーカー2社の工場で設備管理・設備更新等を行い、さまざまな規模の工場で経験を積む。2021年よりYouTubeで生産技術者へ向けて情報発信を行っている。