ついつい溜まってしまう書類の数々……。処分したり、整理したりするのが難しいという人も多いのではないでしょうか。なかには単なる書類だけではなく、思い出が詰まったものもあるため大変です。本記事では『心、お金、時間の巡りがよくなる「暮らしのサイクル」の作り方』(KADOKAWA)の著者で整理収納アドバイザーの井田典子氏が、書類の管理方法を解説します。
誕生日に子どもが書いてくれた手紙、学校の作文…増え続ける「思い出」を「適量」でキープするための、たった1つの習慣【整理収納アドバイザーが解説】
紙類の分類と思い出の置き方
前にも書いた通り、書類は「流動・固定・愛着」の三つに色分けして考えるようにしています。下の図表のように分類して、捨てるか、保管するかを見直すタイミングを決めておくと、紙類の死蔵を避けられます。ただ、最後の「愛着」分野をどこにどう保管するかは、万人の悩みどころです。
1人目の子どもが小さいころは落書きもすべて取っておきたいほど愛おしいものですが、2人目、3人目とそれぞれ大きくなると、それどころではありません。思い出は際限なく膨張していくからです。
それらを絶えず「適量」でキープしていくには、やはりそれなりの置き場所に「枠」を設けるしかないのです。私の経験では、段ボールに詰めて押し入れの天袋に押し込んでしまったら最後、何年も日の目を見ないことになってしまいます。いつでも出して思い出を愛でるための置き場所と枠は「遠過ぎず、多過ぎず」。家族が普段集まるリビングにある収納庫の一角に収まる程度がちょうどいいのではないでしょうか。
ということで、私の思い出アーカイブスコーナーは、リビングの物入れの下2段までと決めています。1段目は私たちの独身時代の往復書簡や古いアルバム。2段目は子どもたちの生活記録でもあるおこづかい帳や、大切な手紙、作文など。特に、誕生日や母の日など折に触れてもらった子どもたちからの手紙のファイルは、思春期の嵐の日々に何度も読み返して心を静めた宝もので、永久ストック入りです。
整理収納アドバイザー、井田さんの「愛着」
子どもたちからの誕生日のお祝いメッセージ、文通をしていた外国のホストファミリーからの手紙……。これらは、クリアファイルに入れて永久保存です。
子どもたちのおこづかい帳で当時のお金の使い方を見ると、どのくらいの時期に、何に夢中になっていたのかを思い出すことができ、とても懐かしい気持ちに。
整理収納アドバイザー
井田 典子