差し色を取り入れて暮らしに彩りを

どちらかというと美術の得意な一族の中で、私はデッサンまでは順調でも色をつけるたびにがっかり。だんだん彩色に臆病になっていきました。ファッションも、自由な色合わせを楽しむ冒険ができなくて、いまだに多色使いは苦手です。

家の中も、長年子どもたちを対象として学習教室をしていたこともあり、気が散るような色ものは置かない習慣がついていました。床の木目の色に合わせたナチュラルカラーの家具、鍋やキッチン小物はステンレスカラー。食器はほぼオフホワイト。飾るだけの雑貨はほとんど置いていませんでした。

カルチャーショックを受けたスウェーデン訪問

それはそれで心地よかったのですが、テレビの仕事でスウェーデンの家庭にうかがったときに、かなりのカルチャーショックを受けました。冬の長い北欧は、屋外はモノトーンでも、家の中に温かみのあるカラフルな雑貨を置いて楽しみます。たくさんあってもセンスよく配置されているのはさすがです。好きな色は人を元気に
したり、リラックスさせてくれるのですね。 

私たちも子どもが巣立った今こそ、家の中にもっと色を取り入れたいと思うようになりました。モスグリーンのソファのほかにも、これからは少しずつクッションやカバーなどに色味を増やしてみたいなと思っているところです。

昨年、中古の家に越してきて外壁をリフォームした際に、娘夫婦が迷わず選んだ色は鮮やかなブルーでした。これにはとても元気をもらっています。部屋の壁紙も1面だけ色柄を入れるアクセントウォールが主流に。私たちもトイレの1面を紅色にして楽しんでいます。

整理収納アドバイザー
井田 典子