年齢とともに変化する身体。自分の身体に目をやると、老いや健康について考えるきっかけとなることも多いかもしれません。本記事では『心、お金、時間の巡りがよくなる「暮らしのサイクル」の作り方』(KADOKAWA)の著者で整理収納アドバイザーの井田典子氏が、老いとの向き合い方について解説します。
歳を取るのが悲しい…前向きに〈老い〉と向き合うには?井田典子氏が「シワができてもいい、アンチエイジングにまったく興味がない」と語る、深い理由
老いとの向き合い方
Q.季節が巡るのは楽しいのですが、歳を取るのが悲しいです。老いとどう向き合えばいいでしょうか。
A.ときを止めることはできません。大切なのは笑顔でいられるかどうか。小さな恵みに気づくアンテナを磨いてみたらいかがでしょうか。
いつまでも若々しい方はすてきだと思いますが、私自身はいわゆるアンチエイジングにはまったく興味がありません。ときを止めることはできないのですから、自然の法則に抗っても仕方がないと思うのです。今は1日に一度、全身を鏡に映して姿勢をチェックする程度です。
大切なのは、シワができてもいいから毎日笑顔になれるかどうか。一人でいるのは楽だけれど、笑顔にはなれません。できるだけ人に会う機会を作って刺激をもらうことで、また自分自身を耕す気持ちになれるのではないでしょうか。何もしないと冬枯れの畑のように硬く冷たく、まわりに無関心になっていきます。
季節ごとの小さな恵みに気づくアンテナを磨いて、家族や知人とそのよろこびを分かち合えたらどんなにいいでしょう。空はこんなにきれいに晴れあがっているのに、シワを数えてふさぎ込んでいるのはもったいないことです。
健康との向き合い方
Q.体調がすぐれない時期が続き、家のことを思うようにできません。どう乗り切れば、イライラせずに済みますか?
A.体調がすぐれない時期に家事が停滞するのはやむをえないこと。暮らしを改善するヒントを見つけるよい機会だと考えてみては。
もはや前回の発熱がいつだったかを思い出せないほど、健康だけが取り柄の私ですが、過去に4回ギックリ腰と胸椎症をやらかしました。予定をキャンセルせざるをえない申し訳なさと、寝返りも打てない痛みに耐えながら、普段いかに健康体に驕っていたかを思い知らされるのでした。
きっと持病をお持ちの方や体調を崩しやすい方は、この苦しみと折り合いをつけながら暮らしていらっしゃることでしょう。自分の体といえどもまったくコントロールの利かない事態の中、家事が停滞するのはやむをえないことです。逆にその期間は家族やまわりが協力できるチャンスを提供していると考えて、じっとその動き
を観察しましょう。
探し物が多かったり、使いづらそうにしていたら、それを書き留めておいてもらいます。元気になったら、そこを改善できるきっかけになるかも……と前向きに考えてみませんか。
整理収納アドバイザー
井田 典子