よし、片づけるぞ! そう思って買いに行っても多くの人が余らせてしまうもの……一体何でしょうか? 本記事では『心、お金、時間の巡りがよくなる「暮らしのサイクル」の作り方』(KADOKAWA)の著者で整理収納アドバイザーの井田典子氏が、家の片づけについて解説します。
〈片づけられない人〉の家にありがち…「正直必要ない」と整理収納アドバイザーが苦言を呈する、意外なアイテム
片づけは「整理」が9割
Q.やる気になって収納グッズを買ってきては、余らせています。上手な収納グッズの選び方を教えてください。
A.片づけは「整理」が9割。収納用品を買う前に、今あるものを精査することが先決と考えています。
片づけを依頼される方からよく「どんな収納用品を買っておいたらいいですか?」と聞かれますが、「どうか何も買わないでください」と頼んでいます。
確かにおそろいの白いプラケースや箱物をズラリと並べれば、なんだか整って見えたりします。でも中身はどうでしょうか。実際に使うものが取り出しやすく戻しやすいでしょうか。使う場所に置かれているでしょうか。家族に不都合はないでしょうか。
「わが家には収納スペースが少ないから」と、収納ケースを床に積み上げているお宅も少なくありません。けれど、収納ケースは本来、押し入れやクローゼットの中で使うためのもの。収納ケースを床置きして部屋をますます狭くしたうえに、掃除もしにくくなってしまっては、本末転倒です。
私は整理収納のうち、整理9割、収納1割くらいのつもりで考えています。整理とは今使うものとそうでないものを分けることです。日々その判断ができて精査していれば、そんなにあふれることはありません。何も買い足さなくても今ある収納グッズで十分収まります。
どうしてもプラケースなどを買うときは、必ず置き場所のサイズを測って使いやすい形状を確認してからにしましょう。その場所の写真を撮っておくと、雰囲気に合うかどうかイメージしやすいと思います。
小さなものを分類する場合には、不要になった空き箱やお弁当箱、牛乳パックや丈夫な紙袋など、身のまわりにあるもので十分仕切ることもできますよ。
丈夫な紙袋は、小物の仕分けに便利な収納グッズに。まず、使う場所の高さに合わせ、紙袋の上部に折り目をつけます。手さげ部分を切り取り、折り目部分で内側に折り込めば完成。
牛乳パックは引き出しの仕切りに。注ぎ口部分を切り取り、縦一辺を切ります。この一辺から続けて底面を斜めにカット。内側を表にして開き、ホチキスで留めます。複数を組み合わせ、サイズを調整しましょう。
整理収納アドバイザー
井田 典子