親の老い、整理のコツ

Q.実家がどんどんと散らかっていきます。高齢の両親にまず、何をしてあげればいいでしょうか。

A.ものを大切にしていた世代に対して「もう捨てたら?」は禁句と心得ましょう。楽しむ時間を共有することも大切です。

誰もが歳を重ねていくのは当然ですが、自分の両親だけはいつまでも変わらずにいてほしいという願望があるだけに、現実を受け入れるのはつらいですよね。でも私たちもいつかはたどる道、と思えばしだいに寄り添えると思います。

まず親の世代は苦労の連続だったことを理解して、ものをたくさんため込んでいても責めないで、これから少しでも「安心、安全、清潔」な環境を作る手伝いがしたいと伝えることが大切です。「捨てる=粗末にする」なので、「もう捨てたら?」は禁句です。これからも使うものを「選んで」と声をかけ、近くにまとめることで探し物が減ります。

床置きにするとつまずきやすく、敷物は滑りやすく、棚に積み上げたものは危険です。「置かない、敷かない、積み上げない」は年代を問わず心がけたいことですが、危ないだけではなく、掃除が行き届かなくなることもやんわりと伝えましょう。

高齢になるほど変化に適応しづらいため、大規模な移動をすると不安にさせてしまいます。片づけばかりを話題にすると気まずくなるので、昔の写真を見ながらお茶を飲んだり楽しむ時間も共有できるといいですね。

整理収納アドバイザー
井田 典子