アルコールで寝るのは麻痺しているだけ

お酒を飲むと眠れるという人がいますが、睡眠の質は悪くなります。お酒を飲むと眠くなって寝てしまう人がいますが、あれは寝ているのではなくて、脳神経が麻痺しているような状態です。だからアルコールが抜けると目が覚めたりします。

寝ているときの脈拍をモニターするとわかりますが、ヒトが体を休めて回復するためには、脈拍が下がっていく時間が必要です。

お酒を飲んで寝ると、脈拍が上がったままです。意識を失っているだけで、体は1つも休んでいないのです。

腸年齢計算の質問項目に「アルコールは週4日以上飲む」というのがあります。腸内フローラを悪くするほうの質問項目です。

毎日の飲酒はやはり腸内フローラを悪化させる要因の1つであることは否定できません。

ただお酒はリラックス効果があり、ストレス解消にも役立つので、飲んではいけないとはいいません。京丹後市の高齢者にもお酒を嗜たしなまれる方はいます。

お酒を飲まれるとしても、前述のように、睡眠の質を下げないため、寝る3時間前にはやめるようにしましょう。飲まないと寝られないという人がいますが、寝酒は睡眠の質を悪化させてしまいます。

また毎日飲んでいるという人は、最低でも週1~2日くらいの休肝日をつくったほうがよいでしょう。

内藤 裕二

京都府立医科大学大学院医学研究科

教授/医学博士