腸活というと「何を食べるか?」に目がいきがちですが、「いつ食べるか?」も重要です。そこで本稿では、長年腸内細菌を研究し続けている医学博士の内藤裕二氏による著書『70歳からの腸活』(エクスナレッジ)から一部抜粋して、腸活に効果的な食事や睡眠の実践方法について解説します。
アルコールで寝るのは麻痺しているだけ
お酒を飲むと眠れるという人がいますが、睡眠の質は悪くなります。お酒を飲むと眠くなって寝てしまう人がいますが、あれは寝ているのではなくて、脳神経が麻痺しているような状態です。だからアルコールが抜けると目が覚めたりします。
寝ているときの脈拍をモニターするとわかりますが、ヒトが体を休めて回復するためには、脈拍が下がっていく時間が必要です。
お酒を飲んで寝ると、脈拍が上がったままです。意識を失っているだけで、体は1つも休んでいないのです。
腸年齢計算の質問項目に「アルコールは週4日以上飲む」というのがあります。腸内フローラを悪くするほうの質問項目です。
毎日の飲酒はやはり腸内フローラを悪化させる要因の1つであることは否定できません。
ただお酒はリラックス効果があり、ストレス解消にも役立つので、飲んではいけないとはいいません。京丹後市の高齢者にもお酒を嗜たしなまれる方はいます。
お酒を飲まれるとしても、前述のように、睡眠の質を下げないため、寝る3時間前にはやめるようにしましょう。飲まないと寝られないという人がいますが、寝酒は睡眠の質を悪化させてしまいます。
また毎日飲んでいるという人は、最低でも週1~2日くらいの休肝日をつくったほうがよいでしょう。
内藤 裕二
京都府立医科大学大学院医学研究科
教授/医学博士