睡眠の質をよくするには?

自分が決めた寝る時間の3時間前に、食事やアルコールを制限しないと睡眠の質が悪くなります。

睡眠の質が悪いと翌日の仕事のパフォーマンスも悪くなります。逆に質のよい睡眠がとれれば、仕事のパフォーマンスは向上します。70歳というと、もう仕事をリタイアした人もいるかと思いますが、1日中ボーッとしているより、活動的に過ごしたほうが快適でしょう。とくにこのくらいの年齢になると、寝付きが悪かったり、朝早く目覚めるなど、睡眠の質が低下しがちなので、よい睡眠をとることが大事です。もちろんこれまで述べてきたように、睡眠の質が悪いと腸内フローラも悪化します。

私は自分の睡眠の質をモニタリングしています。今はスマホや腕時計型のデバイス(情報端末)を用いて、誰でも簡単に自分の睡眠の質を知ることができます。

それでわかったことは、自分が決めた寝る時間の3時間前から睡眠の準備に入るのがよいということ。ですから、晩ごはんはどんなに遅くても、寝る3時間前には終えていなければなりませんし、お酒を飲むのもやめたほうがよいのです。

筑波大学の柳沢正史先生(国際統合睡眠医科学研究機構機構長)は、睡眠に関する研究の世界的なトップランナーですが、この先生方の研究で、睡眠と老化、睡眠と寿命に密接な関係があることがわかってきています。睡眠の質が悪いと老化も進むし、寿命も短くなるわけです。

睡眠の質をよくするには、睡眠時間を十分とったほうがよいのですが、睡眠時間には個人差があります。日本人を含めて東アジアの人たちは、欧米の人に比べて1時間くらい睡眠時間が短くても大丈夫だというデータもあるようです。時間にすると約6時間睡眠ですもちろん、誰にでもあてはまるわけではないので、6時間で足りない人は7時間、あるいは8時間眠る必要があります。

そして体内時計を狂わせないためには、朝は6~7時くらいには起きて、夜はどんなに遅くても12時前には寝たほうがよいでしょう。

あと昼食後などに眠くなる人がいますが、長い昼寝をすると体内時計が狂って、夜寝られなくなってしまいます。眠くてしょうがないとき、ごく短い昼寝が疲労回復に有効だといわれていますが、その時間は15分くらいです。

私は朝6時20分に起きています。そして夜12時以降、仕事をするのをやめました。翌日の仕事のパフォーマンスに悪影響を起こしてまで、夜遅く仕事をするのは意味がありません。その効果は睡眠モニターでも立証されています。