何事も完璧にやろうとしない

掃除でも、仕事でも、何でもそうだと思うのですが、すべてを完璧にやろうとするとものすごく疲れます。何事も「ほどほどでいいや」の精神を持ちましょう。

掃除なら、天井から床までピカピカに磨き上げようとするのではなく、見える場所だけササっと拭いておくくらいにするのです。庭の草むしりをするときには、一本一本の雑草の根っこまで抜こうとするのではなく、目に余るような部分だけ、適当に草むしりをしておくだけでよいのです。

どれくらいいいかげんにやるかは自分の判断でよいのですが、とにかく疲れないように気をつけましょう。

スイスにあるチューリッヒ大学のペトラ・ワーツは、50名の健康な中年男性に、完璧主義を測定する心理テストを受けてもらってから、だ液を採取させてもらい、コルチゾールの値を調べてストレスレベルを測定してみました。その結果、完璧主義であればあるほど、ストレスを感じやすいことがわかったのです。

完璧にやろうとすると、ストレスがたまるのです。

当たり前のお話ですが、完璧にやろうとすると、手抜きができません。全神経を集中させてピリピリしていなければなりません。これは、ものすごく疲れます。したがって、何事も半分くらいできれば、「それでよし」という自分なりのルールを決めておくのです。自分に厳しいルールを課すのをやめましょう。たまには、ちょっとくらい手抜きをしたってよいではありませんか。そのほうが人間らしいともいえます。

料理を作るときにも、すべてをレシピ通りにやろうとするのではなく、少しくらい雑でいいのです。お風呂掃除も、浴槽をピカピカにする必要はありません。表面を軽く拭いておくだけでも、やらないよりはずっとマシです。

洗濯物を畳むときにも、適当に畳むようにするのです。読書をするときには、きちんと最初から最後まで精読するのではなく、適当に流し読みでもOKです。

いいかげんにやるのは、まことに気分がいいものですよ。おかしなプレッシャーも感じませんし、神経がピリピリすることもなく、のびのびと暮らすのがポイントです。

内藤 誼人
心理学者