全国トップクラスの温泉数を誇る「長野県」。特に「野沢温泉」は、独特の泉質や源泉かけ流しの多さにおいて、温泉地の総合力としても全国トップクラスであると、温泉博士であり弁護士でもある小林裕彦氏はいいます。小林氏の著書『温泉博士×弁護士が厳選、とっておきの源泉かけ流し325湯』(合同フォレスト)より、野沢温泉をはじめとした、長野県にある魅力あふれる温泉地で出会える「源泉かけ流し」の秘湯を紹介します。
名物の「樽風呂」、山奥の秘湯…一度は浸かりたい長野県の名湯
4.上高地温泉 上高地温泉ホテル
アルカリ性単純泉です。
風光明媚な所で、山も川も空気もすべてが澄んでいます。1,500メートルの高地に、温泉が湧出しています。
露天風呂の「樽風呂」が素晴らしく、鉄分を含んだ源泉をかけ流しています。青白色に濁っていて、金属臭がします。自己責任で飲泉すると、塩味の利いたスープのような味でした。
内湯と露天風呂は、無色透明のアルカリ性単純泉です。肌の角質や皮脂が取れていくような感じがして、つるつる感もあり、湯上がりは実に爽快です。
上高地帝国ホテルから田代橋を渡り、このホテルの前を通ってウェストン碑に寄り、河童橋を散策するルートがおすすめです。
5.湯俣温泉 晴嵐荘
高瀬ダム駐車場から約3時間、歩いた人のみがたどり着ける、山の中の秘湯です。老骨には、結構こたえます。宿を目前にして、最後はビーチサンダルに履き替えて川を渡らないといけません。これも試練です。
泉質は、青みがかった硫黄泉です。浸かると、疲れがいっぺんに取れます。
宿から20分ほど奥に歩いていくと、噴湯丘(ふんとうきゅう)という、ものすごい天然記念物が見られます。長年にわたって湧出した温泉成分が固まって、できたものです。
この辺りの河原は、そこらじゅうから硫黄泉が湧きまくっています。
夕食のカレーも噴湯丘の形でした。
6.小谷温泉 雨飾荘
ナトリウム-炭酸水素塩泉です。秘湯の小谷温泉山田旅館の、さらに奥にあります。よくこんな山の中に、立派な建物を造られたと思います。
雨飾温泉の雨飾山荘と間違えやすいです。どちらもJR大糸線の駅が最寄りですが、雨飾山荘は新潟県です。
雨飾荘は内湯と露天風呂があり、まろやかな肌触りの泉質です。源泉が肌を滑っていく感じがします。
微かに硫黄臭がします。湯上がりは、肌がしっとりします。
食事も、もてなしも洗練された旅館です。2022年12月時点で、日帰り入浴は行っていないようです。近くに、野趣あふれる雨飾高原露天風呂もあります。
7.姫川温泉 ホテル白馬荘
ナトリウム・カルシウム-炭酸水素塩・塩化物泉です。
JR大糸線の平岩駅から歩いていけます。姫川温泉は、ここと朝日荘、共同湯「瘡の湯」が並んでいます。ちなみに、駅の反対側にホテル国富翠泉閣といった高級ホテルもあります。
湯量が多い温泉地なので、どこも源泉かけ流しです。
広々とした浴槽に、熱めの源泉をきちんとかけ流しています。水を入れられるので、適温にすることもできます。とろみのあるやわらかい泉質でつるつる感がして、硫黄臭と石こう臭がします。
脱衣所に、大きな岩がせり出しています。
敷地内の崖の上で、源泉が湧出して垂れ落ちています。
小林 裕彦
小林裕彦法律事務所
代表弁護士