5月26日は「源泉かけ流し温泉の日」。すべての市町村に温泉が湧き出し、どこへ行っても温泉を楽しむことができる「温泉王国」ともいうべき山形県は、「源泉かけ流し温泉」の宝庫でもあります。温泉学者で弁護士の小林裕彦氏の著書『温泉博士×弁護士が厳選 とっておきの源泉かけ流し325湯』(合同フォレスト)より、山形県に行ったら是非足を運びたい、とっておきの源泉かけ流し温泉宿を紹介します。
湧出したばかりの新鮮な源泉を体感できる!…温泉王国・山形県が誇る「源泉かけ流し」の秘湯7選【温泉博士がおすすめ】 #源泉掛け流し温泉の日
「洞窟風呂」「ローマ式風呂」…唯一無二の掛け流し温泉に出会える
5.肘折温泉 ゑびす屋旅館
ナトリウム-塩化物・炭酸水素温泉です。肘折温泉らしい、緑白色のきれいな色で、とろみのあるまったりしたお湯です。
建物の中はしゃれています。ご主人は音楽好きなようで、感じの良い曲が流れています。
貸し切り風呂は、少し泉質が違うようです。こちらの方が、内湯と比べて少し濃厚な感じがします。
肘折温泉は湯治場の面影と朝市の伝統を持つ、良い温泉地です。道の両脇に旅館が立ち並んでいます。大型のホテルがなく、古き良き日本の温泉地というイメージです。「上の湯」という共同湯が、旅館のすぐ前にあります。「石抱温泉」という野湯も、この旅館が管理しています。
6.肘折温泉 手彫り洞窟温泉 松屋
ナトリウム-塩化物・炭酸塩泉です。
旅館の外観からは想像がつきませんが、手彫りの洞窟風呂(貸し切り)があり、入り口から20メートルほど少ししゃがんで向かいます。これほど本格的な洞窟を歩いていく温泉は、全国的にも珍しいです。洞窟の奥に浴槽があり、これがなかなか渋い。肘折温泉の源泉らしく、緑灰色に濁っています。浸かると、キシキシした肌触りです。
温泉成分の濃厚さを感じます。時間がたつのを忘れてしまうくらいの幸福感に包まれます。
内湯もあります。こちらも緑灰色の源泉がかけ流されています。
7.瀬見温泉 喜至楼
瀬見温泉は、何軒かの旅館と共同湯がある、ひなびた温泉地です。武蔵坊弁慶が発見したと伝えられています。
ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉です。微かな金属臭がして、しっとりとした肌触りの良い泉質です。浸かるとじんわり体の芯まで温まって、なかなか汗が引きません。
写真は本館の「ローマ式千人風呂」です。混浴ですが、時間帯によって男性専用、女性専用となります。これ以外にも、別館の「オランダ風呂」など浴槽に凝った旅館です。
建物の中がすごい。まるで明治か大正時代にタイムスリップした感じがします。一つ一つの装飾や置き物が大変レトロで凝っていて、見る価値があります。
小林裕彦
小林裕彦法律事務所
代表弁護士