「ひたすら捨てる」だけでは、なにも変わらなかった

私の「捨てる日々」がスタートしたのは、2019年の年明け。帰省していた夫の実家から自宅に戻った日の夜、思い立ったように洗面所の不要なものを捨てました。

そして、その日を機に、何かにとりつかれたように(笑) 黙々とものを手放す私…。そんな姿に家族は、「いったい何が起こったの!?」と驚いたようですが…当然ですよね。なにせ、これまでものを溜めに溜め込んでいた私が、突然、捨てに捨てまくっているのですから…。

しかも私は、家族に相談も説明もしませんでした。家族を巻き込んだり、強要したりするわけでもなく、ひたすら単独で突っ走っていたんです。

やり始めたらとことん!夫の心配をよそに“独走”

私はやりはじめたらとことんやりたいタイプ。困惑する家族に脇目もふらず、「捨てれば変わる!」と信じて、捨て続けていました。それに、片づければ「家族も居心地がよくなる」「家族のため!」とも思っていました。自分も変われるし、家族も喜んでくれるなんて一石二鳥。これはいい! と、希望に胸膨らませていたんです。

しかし夫の目に当時の私は、「無理をしている」ようにも映ったようです。「やりすぎでは!?」「少し捨てるのを休んだら?」と声をかけてくれても、私は「なんで!? 家族のためだし」と、その忠告を突き返すばかり。それではお互い気分はよくないですよね。

ギクシャクした家族間の空気がイヤだった。だから、「変わりたい」と思って、片づけをはじめたのに…。むしろ悪くなっていってしまったんです。

「家族と一緒に」取り組むことで、部屋も家族仲も変わっていった

「家族のために」とも思って次々とものを手放していたけれど、それは独りよがりでした。私としては、「家族が喜ぶ」という気持ち満々だったので、きつねにつままれたような気分(笑) けっこう衝撃的でした。

それから夫には「捨てることが目的になっている」とも言われました。何のために手放しているのか。片づけているのか…。実際、「手放した」先の目的にはたどり着いていないのだから、夫の言葉はごもっとも。私も、それに気づきはじめたんです。

「家族のために」と思うならばなおさら、家族の理解が必要なんですよね。そこで、家族と話し合って、みんなで一緒に片づけることを提案したんです。

私自身も、どこに向かっているのかわからず迷走していたことは、たしか。でも、ものが減っていくことで、少しずつ使い勝手がよくなったり、インスタの投稿を見て、心を動かしてくれる人がいることもたしかでした。そういったことも、家族に話しました。

そして、これまでのように突っ走るのではなく、家族でできることを、家族のペースで進めていくことにしました。「いい方向」へ向かいはじめたのは、ここからかなと思います。

これまでは「家族を巻き込まない」ことこそが、家族のためで正解だと思っていました。そうではなく、大事なのは「家族と一緒に」ということだったんです。それに気づくと、部屋の景色はもちろん、家族の間の空気もじわじわと変わっていきました。

みや
整理収納アドバイザー