「ハラスメント・ハラスメント」は悩まないことが最善策

最近は、「ハラスメント・ハラスメント(ハラ・ハラ)」に困っている企業も多いのではないでしょうか。とくに、部下が上司に対して「なんか嫌だな」と感じたとき、「それってパワハラですよ!」と脅すようなケースも出てきており、疲弊している管理職の方々も少なくないでしょう。

部下に必要な注意や指導をしたのに「パワハラだ!」と返されたら、「じゃあ、どうすればいいの?」と思ってしまいますよね。

これはわたしの見解ですが、このような訴えをするのはごく一部の人だけではないでしょうか。傾向として、自己肯定感がとても低いために噛みついてくる人が多いのではないかと思うのです。幼少期から家庭などで「何か」を感じ取り、自分に対する否定感を持ち続けているケースが少なくないように感じます。

噛みつく人は、とても敏感な人なのでしょう。

ハラ・ハラをしてくる人は、本当は寄り添ってほしい、ほめてほしいと思っているはずです。もっとも扱いが面倒なタイプとも言えます。

ほかの人はリスクヘッジとして、依存先を複数持っているものですが(依存がいいとは思いませんが……)、ハラ・ハラをするタイプの人は依存先をひとつに絞り込んでしまいます。依存していたのに、何かのきっかけでその相手を敵視することもあるので、ひとつのコミュニティに定着せず、長い付き合いもできません。結果として、すぐに会社をやめてしまうのです。

このような人を変えるのは現実的に非常に難しく、管理する側の負担が大きすぎるので、早い判断が求められます。さもなければ、マネジメント側が疲弊して壊れてしまうリスクがあります。相手から100%の愛を求められると、疲弊度合いは相当なものでしょう。

少なくともこのタイプの人に罪悪感を抱く必要はありません。依存先を探しているだけなので、うまく付き合わなくてもいいのではないでしょうか。ただ、虚言癖があるため、会話履歴などをメモしておく、録音をしておくなど、労基への駆け込みやネットへの書き込みの対策は必要です。

人を引きずり下ろして自分のしあわせを得る、いわゆる「Lose-Lose」に持ち込もうとするので、大切なのは、相手をする側がひとりで抱えないことでしょう。そのようなタイプと割り切って、対策をしたうえで気にしないようにしましょう。「自分がいる場所ではない」と思ったらすぐにいなくなります。あまり揉めないようにしながら、いなくなるようにうまく持っていくのが最善の方法です。

心に傷を負っている人は、マネジメントによって簡単に変わる相手ではないと考えたほうがいいかもしれません。

白附 みくる

株式会社OMOCHI代表取締役