今や多くの家庭で使われており、すっかり定着した感のあるコードレススティック掃除機ですが、日本市場で主権を握ってから5、6年しか経っていません。まだ歴史が浅いこともあり、進化の途中にある一方で、日常使いでは過不足なく使えるものも増えてきています。今のコードレススティック掃除機のトレドはどのようなものか、使いやすい掃除機の選び方を交えながら解説していきます。

コードレススティック掃除機選び、5つのポイント

とはいえ新ジャンルの掃除機のため、技術の開発だけでなく、コードレススティック掃除機の最適解は何か、模索する日々が続きました。当初は、吸引力を追求し続けた結果、ゴミはしっかり吸うものの本体が重くて腕が疲れる、吸引力が強すぎて床に張りつくなど、使いやすさが犠牲になることも。

 

一方で軽さを追求すれば、やはりゴミが吸いきれなかったり、軽さゆえにヘッドが床から浮きやすく、ゴミをしっかり捉えることができないなど、多くの人が満足できるとはいえないものでした。

 

しかし紆余曲折を経て10年近く経った現在、多くの人のニーズに近い掃除機が続々と登場してきています。それが、吸引力はそこそこで軽さと使いやすさを備えたバランスモデルです。ハイパワーモデルに比べると、確かに吸引力は落ちるものの、家庭での掃除には十分なパワーを備え、軽いのでスイスイ掃除できる。コードレススティック掃除機のメリットが存分に生かされる、まさに「毎日使いやすい」掃除機です。

 

では使いやすいコードレススティック掃除機とは具体的にどのようなものでしょうか。店頭でチェックしたいポイントを5つまとめました。

 

1.本体重量ですが、おすすめは1kg〜1.5kg前後のもの。かつては2kgを超えるものも珍しくありませんでしたが、やはり1kg後半になると持ち上げるもの重く感じます。一方で1kgを切るものは、吸引力が物足りない場合もありますので、1つの目安にしましょう。

 

2.重心バランスが取れていることもチェックしたいポイントです。掃除機は軽いほうが使いやすいのは確かですが、その重量が手元によっていると重さを感じやすく、ヘッドに力を伝えにくくなってしまいます。重心のバランスが取れていれば、手元は軽く、ヘッドもしっかり床に密着して、軽い力で安定して掃除ができます。

 

3.小回りが効くかどうかもチェックしましょう。家具のまわりを掃除したいときなど、手首をくるっと回してヘッドの角度を90°変えたいのに、中には60°程度しか曲がらず、家具にしっかりアプローチできないものもあります。またなめらかに動かないと、手首に余計な力が入ってしまい、やはり疲れやストレスを感じやすくなります。

 

4.掃除機がけをしていると、ヘッドのブラシに髪の毛が絡まってしまうこともありますが、放置すると固く巻き付いて取りにくくなってしまいます。その点、近年の掃除機には、毛がからまりにくいブラシの構造になっているものも増えており、とても便利です。

シャープは、密度が高く縮れたブラシで毛の入り込みを抑える「からみにく〜い」ブラシを採用(著者撮影)
シャープは、密度が高く縮れたブラシで毛の入り込みを抑える「からみにく〜い」ブラシを採用(著者撮影)

 

5.最後に確認しておきたいのが、ゴミの捨てやすさです。コードレススティック掃除機はゴミを溜めるダストボックスが小さいため、1、2回の掃除でいっぱいになってしまうこともあります。ダストボックスを本体から取り外して、ひっくり返して捨てるものより、本体から取り外さずにレバー1つで捨てられるもののほうが便利ですし、ゴミが圧縮されるタイプなら、ホコリが舞い上がりにくく、不快感も軽減されます。