圧倒的な「正社員」と「非正規社員」の給与差…だが、絶対ではない
圧倒的な給与差から、
――正社員でないとダメ
――正社員以外は負け組
そんな考えが定着しています。ただ最近は「正社員ではない働き方」も増え、「あえて非正規社員」を選ぶ人も増えています。
総務省『労働力調査』によると、25~34歳のうち、都合の良い時間に働きたいとして非正規になった人は2023年に73万人。10年前の2013年と比較して、14万人増えました。一方で、「正規の職がない」という人は196万人から半減。正社員にこだわらない働き方が広がりつつあります。
また給与面でも、「非正規<正社員」という構図は絶対的なものではありません。
正社員、非正規社員の給与分布をみていくと、正社員(男性)の月収の中央値は32.03万円。上位10%で55.76万円、下位10%で21.53万円と、同じ正社員であっても大きな給与差は存在しています。一方で非正規社員(男性)の月収の中央値は22.59万円。上位10%で37.26万円、下位10%で16.38万円。正社員ほど大きくないものの、非正規社員の間にも給与格差は存在しています。
また非正社員でも正社員上位10%に入る給与を獲得している人は非正規社員の2%。2023年、非正規社員は2,101万人。その上位2%にあたる42万人は、非正規社員のなかでも完全なる「勝ち組」といっていいでしょう。
冒頭、「正社員じゃないなんて、終わったな」と発言したサラリーマンの後日談。
遅れてきた高校の同級生(秀才)は、複数の会社と契約する“スーパー非正規”であり、給与は月収で3桁であることが判明したとか。もし自身は平均的な給与のサラリーマンだとすると、月収で30万円、年収で500万円を超える程度です。大きく水をあけられた結果に、「エリートの転落じゃん」と笑ったことを大いに恥じたといいます。
[参考資料]