老後に向けた資産形成や生活費の担保など、さまざまな理由から「副業」を検討している人は少なくないでしょう。副業には多くの選択肢がありますが、なかでも“大家業”は会社員と相性が良いと、メガバンク出身のコンサルタントで『50代 お金の不安がなくなる副業術』(エムディエヌコーポレーション)著者の大杉潤氏はいいます。鹿児島在住の神村夫婦の事例とともに、そのメリットやポイントをみていきましょう。
鹿児島の40代夫婦「1,280万円の物件」で不動産投資→驚きの利回りに…会社員は“大家業に向いている”といえる理由【メガバンク出身のコンサルタントが解説】
副業で賃貸ビジネスをすれば「節税」も可能
会社員には給与所得控除というものがあるため、経費計上は原則として認められませんが、副業で賃貸ビジネスを行うと、事業に関わるさまざまな経費の計上が可能になり、節税ができます。
不動産賃貸業の場合に大きいのは、減価償却費を計上できること。所有している物件の建物の価値は年々減価していくことから、毎年減価していく分を経費として計上できるのです。
この減価償却費は実際に現金が出ていくわけではないのに経費計上できるところにメリットがあります。通常の経費は、現金が外へ出ていくので、その分を経費計上するのですが、減価償却費の場合には現金が一切、減ることがありません。
そのほかにも、賃貸ビジネスが雑所得ではなく事業所得の規模になれば、さらにさまざまな経費も認められることになります。収入が増えてきたら法人化することで所得税率を下げるなどの節税も可能です。
また、賃貸ビジネス、とくに不動産投資の大家業は、昔から地主が行っていることもあって、副業禁止となっている会社であっても、とくに本業に支障が出る場合でなければ、届け出ることさえ不要という慣習になっている会社がほとんどでしょう。
そういう意味では、会社員が始めやすい副業と言えるかもしれません。
大杉 潤
経営コンサルタント/ビジネス書作家/研修講師