持ち家を売却してしまうのが正解の場合とは

売却を選択すべきケースもある。一つは、家賃収入で住宅ローンの返済などが賄えない場合だ。賃貸収入でどの程度キャッシュフローのプラスが必要かについては様々な計算方法があり、ここでは詳細には触れないが、住宅ローンの返済に加えて固定資産税や管理委託費などを支払った後に、最低でも家賃収入の1割程度、できれば2割が残ってほしいところだ。

もう一つは、売却予想価格が住宅ローン残高を下回っている場合だ。日本は長年の経済の停滞と異次元緩和といわれる金融抑圧政策によりインフレが起きず、不動産価格も都心のマンションなどを除けば、現状維持か緩やかな下落傾向が続いてきた。そのため家の資産価値も緩やかに下がっているケースがある。

住宅ローン残高を下回るほど、すなわち担保割れになっているということは、世の中の水準以上のスピードで資産価値が下落していることになる。そういったケースでは今後もその含み損が拡大していく可能性が高い。

資産価値が大きく下落しているということは家賃水準も緩やかに下落していくことを強く示唆しており、借り手を安定して見つけ続けることは難しい可能性がある。借り手が見つからなければ、住宅ローンの返済で家計に大きな負担をかけることになるため、売却して損切りすることも検討すべきだろう。

現実には、こうした担保割れの状態であっても、銀行が一括返済を求めるケースはほとんどないようだが、担保物件の価値までしか返済義務を負わないノンリコースローンは日本ではほとんど普及しておらず、物件の売却損は所有者が負うことになる。