心地いい部屋を作るためには、余分なモノなどを「マイナス」することが必要になります。その一方で、ぜひプラスしてほしい「2つのもの」もあります。今回は、筆子氏の著書『本当に心地いい部屋: ものが少ないからくつろげる、満たされるから帰りたくなる 』(大和出版)より、プラスするべきものについてご紹介します。
部屋にプラスしたいのは「光」と「風」
本当に心地いい部屋を作るために「マイナス」することは欠かせませんが、「プラス」したいものもあります。それは、光と風です。日当たりがよく風通しのいい部屋は、それだけで居心地がいいし、健康にも恩恵があります。
光を取り入れるメリット
太陽の光には、さまざまな健康効果があります。
日光浴が健康にいいことはよく知られていますし、外に干した洗濯ものや布団はお日さまの香りがして気分がいいものです。
「外に干すと柔軟剤の香り(化学的に合成された香り)が消えるからいや」という声もありますが、自然の香りのほうが私は好きです。紫外線を含む太陽の光は自然の殺菌剤で、身体に害のあるバクテリアや微生物を殺します。さらに体内でビタミンDを生成し、食欲を増し、消化を助け、血行をよくし、免疫系の機能も向上させます。
起き抜けに日光にあたると、セロトニンなどの幸せホルモンの分泌が増えるので、気分が上向きになります。人の体内時計は太陽の光をベースにしているので、昼間、しっかり日にあたれば、夜、ぐっすり眠ることができます。
あたりすぎはよくありませんが、太陽の光は、私たちが健康でいるための基礎となるものです。
風通しのいい部屋を作る理由
風通しのいい部屋にしたい最初の理由は、できるだけカビを避けたいから。風通しが悪いと、空気がよどんで部屋が湿気ます。日本は湿度が高いので、風通しの悪いところに物を置くと、あっという間にカビが生えます。壁や柱にカビが生えれば、家そのものがダメージを受けます。カーペットや家具も、カビと無縁ではありません。
押入れにしまってある未使用のバッグも、材質によってはカビが生えます。
不用品を捨てていて、カビ臭さを感じることも多いもの。周囲にカビがたくさんあれば、体調も悪くなります。湿気た部屋には、ダニなど、虫も巣食いますね。
風通しをよくしたい2つ目の理由は、新鮮な空気が入ってこないと、脳に酸素がいかないから。人は酸素がないと生きられませんが、特に脳は、酸素を必要としています。脳のエネルギー源であるブドウ糖を分解するのに、酸素が必要なのです。
ふだんきれいな空気を吸っていると、すべてのパフォーマンスが向上します。