おしゃれに部屋を整えたつもりでも、なぜだか心が休まらない……実は、部屋にあるものから無意識に影響を受けているのかもしれません。本当に心地のいい部屋にはどのような特徴があるのでしょうか。筆子氏の著書『本当に心地いい部屋: ものが少ないからくつろげる、満たされるから帰りたくなる 』(大和出版)より、快適に暮らすヒントを見ていきましょう。
心地よさをさまたげる4つの問題
おしゃれな部屋や、人に美しいと思ってもらえる部屋を作ろうとしてもしなくても、結局、物が増えます。私たちは、何か問題が起きると、お金を使ったり新しい物を導入したりすることで解決しようとする癖があります。
部屋作りもまったく同じで、快適な部屋にするためには、立派な家具や、便利な小物、かわいい飾りものを買わなければならないと思ってしまうのです。
「物を減らしてシンプルに暮らしたい」と思っている人ですら「片付けるためには、まず100均で収納ケースを買ってこなくちゃ」と考えることが少なくありません。「まずは、買い物!」という行動様式ができあがっているわけです。
部屋にある物、1つひとつは、素敵な物かもしれません。
しかし、どんなに素敵でかわいい物でも、過ぎたるは及ばざるが如し。
数が多すぎれば、その部屋の持ち主の足を引っ張るやっかいな邪魔者になります。
物が多い部屋の問題点は、管理や掃除が大変、探し物が増えるなど、いくつもあります。ここでは、居心地よさに影響を及ぼす見た目の問題を見ていきましょう。
1.見るだけでイライラ
物がごちゃごちゃして、見るだけでイライラします。
これは、誰しも経験があることではないでしょうか。物が多ければ多いほど、それぞれの色や形がお互いに干渉しあうため、神経にさわります。
多すぎる物をなんとか部屋におさめるためにすき間を利用して収納していると、余白がまったくないので、圧迫感があります。
2.集中できない
たくさんある物に意識が向いて、やりたいことに集中できません。特にキャラクターグッズのように色やデザインが派手な物や主張の強い小物を置くと疲れます。
「別に気にならないよ。ちゃんと仕事に集中できる」と思うかもしれません。
だとしたら、物がたくさんある光景に慣れてしまって、気がそがれていることに、気づいていないのです。一度、仕事机や、キッチンのカウンターに置いてあるものを、きれいさっぱり取り去ってください。とてもスッキリするはずです。
3.リラックスできない
物に意識が向けば、のんびりくつろぐこともできません。カフェや旅館、ホテルでリラックスできるのは、必要最低限の物しかなく、わずらわしい生活や、これからしなければならないことを思い出させるもの(シンクにたまった汚れた皿や、部屋の角にある、アイロンをかけなければならない洗濯ものなど)がないからです。