セーブしながら、楽しんでお金を使える

私がこれらの「身近なレベル」で満足することができているのは、普段から「体の栄養」と「心の栄養」を分けて考えているからだとも思っています。

例えば、私は支出を管理するとき「食費」と「喫茶代」を分けるようにしています。喫茶代を食費に含めている時期もあったのですが、自分の欲求通りに過ごすと、外食のありがたみが激減したり、食事を摂ること自体が面倒になってほとんど毎食コーヒーとパンだけで済ませてしまう、ということがありました。

「お楽しみの外食」を、普段の自炊とは切り離して記録・管理することで、節約効果だけでなく、体調も良くなり、心の充足感もかなり増しました。

お弁当代や嗜好品代までまるっと「食費」にまとめられることが多いですが、私にとっての「喫茶代」のように、自分がよくお金を使っているものがあれば、支出の管理項目で別立てして観察してみるのがおすすめです。もしかしたら、第4週の豪遊ウィークにだけやるくらいがちょうど良かった、ということが見つかるかもしれません。

「月前半は使わない、月後半は豪遊式」のお気に入りポイントは、お金を楽しんで使えるようになることです。「お金を使えばしたいことができる」と思いがちですが、その中には「それほどしたくなくても、お金を使っている」ことの方が明らかに多く含まれているようです。

これらの「優先順位低め」の消費を振り落とすことで、お金を使う機会の満足度が上がるのが、「月前半は使わない、月後半は豪遊式」の超重要ポイントなのです。

もう一つのお気に入りポイントは、月前半のお金を使わない期間に、やるべきことに集中できる点です。いまも日々実感するところですが、それほど必要ないのについお金を使ってしまうとき、目の前の「やるべきこと」からちょっと離れて気を紛らわせたい心持ちになっていることが多い気がします。

これが積もり積もってくると、無駄遣いが増えたり、やるべきことを先延ばしにしてしまうなど、あとあとシワ寄せがきてしまうことが多いのです。

月の上旬は進めなければいけない作業に集中し、月の中旬から少しずつ買い物に出かけたり、楽しみのお茶をしたりして豪遊すると、1ヵ月間のお金と時間の使い方にメリハリがつけられるようになりました。月の予算をセーブしながら、楽しみも存分に得られる本当に素晴らしい方式です。

節約や節制、お金を貯めるのにつきまとうのが「我慢」や「自制」だと思うのですが、実際には、セールごとに余計な買い物をしたり、せっかくランチ代を節約したのにコンビニスイーツをつい買ってしまうなど、「余計なことをしている」場合が明らかに多い気がしています。

普段、私はそれほどダラダラ出費しているとも思っていなかったのですが、「月前半は使わない」ときっぱりルールを決めてみると、気づかぬうちにお金を使っていることをはじめて自覚できました。「こうして知らぬ間に、自分が汗水垂らして得た金が霧のように……」と軽いショックを受けると、自分の行動も改善しやすくなります。

自分で思っているお金の使い方と現実とは、結構かけ離れているものです。家計簿や支出メモでは、お金を使うペースまでは管理しづらいですが、この方式はペース調整がシンプルかつ簡単で、継続しやすいのも素敵なところです。

貯金を先取りしていると、どうしても日々の生活の過ごし方までは意識が届きづらいのが気になるところでしたが、「月前半は使わない、月後半は豪遊式」は、生活を送ることがメインで、貯金がサブ的な位置づけになることも、自分の生活とお金の流れがスムーズになる秘訣だと感じます。

貯金貯金! とお金を追いかけ続けるよりも、「無意識にやっている余計なこと」を減らす方が暮らしは充実します。そして実行しなければ忘れていくことの方が圧倒的に多いことがわかると、お金を使うのを「我慢しなきゃ」ではなく「また余計なことを」と自分の行動を客観的に戒めることができます。

月前半は、使わない。後半は、豪遊する。

私はこの方法で生活とお金の流れを大きく改善できました。推しに推すイチオシの仕組みです。やってみてお金が減る訳ではないので、試す価値は大いにありです……!

かぜのたみ
YouTuber