ネット上で「新NISA_初心者」などと検索をかけると、「初心者は投資信託1択!」といった内容の記事やウェブサイトがたくさん出てきます。しかし、資産形成を始めるうえで、個別株などへの投資に興味を抱く人は少なくありません。そこで今回は、『ファイナンシャルプランナーが手取り足取り教える新NISA』著者でCFPの小山信康氏が、投資初心者へ向けて「投資信託と株式投資の違い」や「チャートの読み方」を解説します。
新NISAで「個別株」を買うなら…知っておきたい「投資信託との違い」と「チャートの読み方」【CFPが解説】
株価予測でよく使われる「移動平均線」とは?
また、ローソク足の終値を結んでチャートを作れば、株価の推移を把握することができます。
ただ、株価はその日ごとの値上がり・値下がりだけでも大きいため、チャートの形がギザギザになって見えづらくなってしまいます。そこで、単純に1日ごとの終値でチャートを作るのではなく、数日、または数週間・数ヵ月間の平均値を繋いで株価のチャートを作るのが一般的です。
これを「移動平均線」と呼んでいるのですが、将来の株価を予測する際に、この移動平均線がよく使われています。
比較的短い期間の平均値を用いるものを短期線、長い期間の平均値を用いたものを長期線と呼んでいますが、この移動平均値の推移をみて、今後の株価動向を予測するのです。
たとえば、[図表3]のようなチャートがあるとします。短期は1年ごと、長期は5年ごとの移動平均線です。Aで、短期線が長期線を下に追い越しています。この形は「デッド・クロス」と呼ばれ、下落相場の予兆と考えられています。
Bでは逆に、短期線が長期線を上に追い越す形になっています。これを「ゴールデン・クロス」と呼んでいて、その後のさらなる値上がりの予兆と言われています。
ただし、これらはあくまでも傾向であるため、必ずそのように値動きするという訳ではありません。
とくに個別銘柄の長期的な値動きは、それぞれの企業の業績や成長力が基本となります。チャート分析を過信するのではなく、参考程度に活用した方がベターと言えるでしょう。
小山 信康
CFP®
1級企業年金総合プランナー