株価予測でよく使われる「移動平均線」とは?

また、ローソク足の終値を結んでチャートを作れば、株価の推移を把握することができます。

ただ、株価はその日ごとの値上がり・値下がりだけでも大きいため、チャートの形がギザギザになって見えづらくなってしまいます。そこで、単純に1日ごとの終値でチャートを作るのではなく、数日、または数週間・数ヵ月間の平均値を繋いで株価のチャートを作るのが一般的です。

これを「移動平均線」と呼んでいるのですが、将来の株価を予測する際に、この移動平均線がよく使われています。

比較的短い期間の平均値を用いるものを短期線、長い期間の平均値を用いたものを長期線と呼んでいますが、この移動平均値の推移をみて、今後の株価動向を予測するのです。

出所:『ファイナンシャルプランナーが手取り足取り教える新NISA』(彩図社)より抜粋
[図表3]デッド・クロスとゴールデン・クロス 出所:『ファイナンシャルプランナーが手取り足取り教える新NISA』(彩図社)より抜粋

たとえば、[図表3]のようなチャートがあるとします。短期は1年ごと、長期は5年ごとの移動平均線です。Aで、短期線が長期線を下に追い越しています。この形は「デッド・クロス」と呼ばれ、下落相場の予兆と考えられています。

Bでは逆に、短期線が長期線を上に追い越す形になっています。これを「ゴールデン・クロス」と呼んでいて、その後のさらなる値上がりの予兆と言われています。

ただし、これらはあくまでも傾向であるため、必ずそのように値動きするという訳ではありません。

とくに個別銘柄の長期的な値動きは、それぞれの企業の業績や成長力が基本となります。チャート分析を過信するのではなく、参考程度に活用した方がベターと言えるでしょう。


小山 信康
CFP®
1級企業年金総合プランナー