お酒好きにとって、永遠の敵とも言える「二日酔い」や「悪酔い」。たくさんお酒を飲んでも、翌朝の体調に響くことなくお酒を楽しむために、知っておきたい事前の対策と、二日酔いになってしまったあとにできる効果的な対処法を伝授します。葉石かおり氏・監修、近藤淳子氏・著『人生を豊かにしたい人のための日本酒』(マイナビ出版)より、詳しく見ていきましょう。
飲酒中にできる、最もカンタンな「二日酔い対策」
さらに、「やわらぎ水を飲む」ことが大切です。お酒を楽しむときのチェイサーのことを、日本酒の場合は「やわらぎ水」と呼んでいます。私は、お店で日本酒を注文するときは、必ずお水をお願いしています。
やわらぎ水は、常温が体には優しいとされています。なぜならば冷たすぎる氷入りのお水は、内臓を冷やし、代謝を悪くしてしまうからです。とはいっても、常温のお水を注文するのは、お店側にもお手間を取らせてしまう可能性があるので、ひとまずは氷抜きでお水をお願いしています。
やわらぎ水にここまでこだわるのは、その効果を抜群に実感できるからです。例えば、空腹で日本酒を飲むと一気に酔いがまわりませんか? そんなとき、やわらぎ水を飲むと、体内のアルコール濃度が薄まり、血中アルコール濃度の急激な上昇を抑えることができます。
また、やわらぎ水は、脱水症状の緩和を促す効果があります。アルコールを飲むと利尿作用が促進され、脱水症状を引き起こしやすくなってしまうのです。そこでやわらぎ水を飲むことにより、脱水症状を緩和したり、頭痛を和らげたりすることができます。
二日酔いになってしまったら…回復効果の高い食材は?
それでも、二日酔いになってしまったときのために、翌朝の体調の不具合を少しでも改善できる効果のある食材をご紹介しましょう。
まず、たんぱく質とビタミンB1。たんぱく質は小腸でアミノ酸に分解され、肝臓へ運ばれるとアルコール代謝を促してくれます。豚肉、鶏肉、牛肉などの動物性たんぱく質、大豆製品などの植物性たんぱく質などを食べると良いでしょう。特に納豆や豆腐は、胃の不快感を緩和する効果があります。
そして、ビタミンB1は、アルコールが分解されるときに大量に必要となる栄養素です。飲み過ぎた翌日はビタミンB1が不足しがちになります。豚肉、うなぎ、たらこなどを積極的にとるようにしましょう。
ただ、食べ物が喉を通らないほどの不快な二日酔いのときには、とにかく水分を多く取るようにしてください。また、オレンジジュースも二日酔いに効くと言われています。オレンジジュースに含まれる糖分を摂取すると血糖値が上がり、脱水症状も緩和する効果があります。
近藤 淳子
一般社団法人ジャパン・サケ・アソシエーション
副理事長、フリーアナウンサー
葉石 かおり
一般社団法人ジャパン・サケ・アソシエーション
理事長 酒ジャーナリスト、エッセイスト