投資家から集めたお金を、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する「投資信託」。専門家集団が運用するため信頼できそうですが、世の中にある5,000種類以上の投資信託のうち、いい銘柄は1%程度だと、経済評論家の山崎元氏はいいます。そのわずか1%のなかで、山崎氏が投資初心者に向けておすすめする銘柄とは……具体的な名称と、山崎氏がすすめる理由を詳しくみていきましょう。※山崎元氏は2024年1月1日に逝去されました。衷心より哀悼の誠を申し上げます。
投資初心者はまずなにを買えばいい?…経済評論家・山崎元さんがすすめていた「たった1つの銘柄」
たった100円で、アップルやグーグルの株主になれる!?
「オルカン」は世界47ヵ国・約3,000社の株式の詰め合わせ
大橋:じゃあ、山崎さんのおすすめするオルカンとは具体的にどんな商品か教えていただけますでしょうか。
山崎先生:世界中の主な会社、約3,000社の株式が入っている詰め合わせだね。つまり1つの投資信託を買うだけで、3,000社の株を持つことができる(図表3)。
大橋:どんな会社が入っているんですか。
山崎先生:今だとアメリカの企業が全体の6割くらいで、アップルとか、テスラとか、グーグルを運営するアルファベット社などが含まれていて、日本の企業は合わせても全体の6%くらいでトヨタとかソニーなどが含まれる。
大橋:もしかしてそれって、それを買えばテスラとか、アップルの株主になれるってことですか。
山崎先生:そういうことだね。
大橋:ということは、イーロン・マスクが頑張れば、僕の貯金が増えるってことですか?
山崎先生:単純にそうとは言えないけど、まあイメージとしてはそうだね……。
大橋:(がんばれ、イーロン・マスク。僕の貯金を増やしてくれ!)
“約3,000社”の中身は、定期的に入れ替わる
山崎先生:……。それで、ポイントは会社の大きさごとにウェイトが違っていて、時価総額が大きい会社(会社の価値が高いと評価されている会社)ほど比率が多く、価格が下った会社は比率が小さくなっていく。
大橋:もしダメな会社が袋の中に入ってたらどうするんですか。
山崎先生:時価総額が小さくなった会社はどんどん比率が小さくなって、影響が小さくなるように出来ている。そのうちに入れ替えの対象になってしまうよ。たとえば、メルカリとか、良品計画とかは、2022年に除外されたりしているね。
まとめ
・オルカンは世界の主な株に分散して投資できる商品。
・中身は定期的に入れ替わっていて、その時の評価の高い(時価総額の大きい)会社の株式の影響力が大きくなる仕組みになっている。