投資家から集めたお金を、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する「投資信託」。専門家集団が運用するため信頼できそうですが、世の中にある5,000種類以上の投資信託のうち、いい銘柄は1%程度だと、経済評論家の山崎元氏はいいます。そのわずか1%のなかで、山崎氏が投資初心者に向けておすすめする銘柄とは……具体的な名称と、山崎氏がすすめる理由を詳しくみていきましょう。※山崎元氏は2024年1月1日に逝去されました。衷心より哀悼の誠を申し上げます。
投資初心者はまずなにを買えばいい?…経済評論家・山崎元さんがすすめていた「たった1つの銘柄」
投資信託には「アクティブファンド」と「インデックスファンド」がある
山崎先生:投資信託には大きく2種類ある。プロ(人)がどの会社の株がいいか選んで詰め合わせをつくっているのがアクティブファンド。もうひとつは株価指数(インデックス)の中身に合わせて、機械的に詰め合わせをつくっているインデックスファンド(図表1)。
それで、わたしはアクティブファンドよりインデックスファンド。その中でも、世界中に分散投資できる「オルカン」と呼ばれている商品をオススメしている。
※ 「アクティブ」とは「積極的な」という意味で、反対にインデックスファンドを「パッシブ(消極的な)ファンド」と呼ぶことがあります。
「株価指数」(インデックス)って、なに?
大橋:指数とはなんでしょう?
山崎先生:「日経平均」って聞いたことあるでしょう。
大橋:ええ、聞いたことあります。ニュースとかでやってるやつですよね。
山崎先生:日経平均株価も指数だね。オススメはしないけど、もし君が日経平均のインデックスファンドを持てば、日経平均に含まれている企業の全ての株を持つことになって、日経平均があがれば、儲かるし、下がれば損をするの(図表2)。
大橋:日経平均自体を持っているようなイメージでしょうか。
山崎先生:そうだね。それで「日経平均」は日本企業の株価の指数(インデックス)で、他には「TOPIX」というものもある。アメリカには「ダウ平均」や「S&P500」という指数があるし、他の国にも株価指数がある。
<世界の主な株価指数(インデックス)>
・日経平均株価……東京証券取引所に上場する225銘柄の平均
・TOPIX……東京証券取引所の上場銘柄、約2000社の平均
・ダウ平均……アメリカの代表的な株価指数
・S&P500…… アメリカの時価総額の大きい主要500社で構成する株価指数
・FTSE100……イギリスの代表的な株価指数
「オルカン」なら、世界全体に広く分散投資ができる
山崎先生:それで指数には、国別のものだけでなくて、世界全体にも「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス」というのがあって、さっき教えたオルカンは、その指数に沿って詰め合わせを作ったインデックスファンドだね。
大橋:エム、エス、シー……。
山崎先生:名前は覚えなくていいよ。
大橋:日経平均の世界版みたいなイメージでいいんですかね?
山崎先生:まあ、かなりおおざっぱに言えば、そのイメージでいいよ。これを買えば世界中の会社に広く分散投資していることになって、世界全体に投資しているイメージに近い。
まとめ
・投資信託にはアクティブファンドとインデックスファンドの2種類がある。
・プロが株を選ぶのがアクティブファンド。指数に沿って株式を持つのがインデックスファンド。
・おすすめの投資信託は「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」略して「オルカン」というインデックスファンド。