長年暮らしてきたマイホームを手放すときが来たら、納得できる価格で、トラブルなしで売却できるのが理想。中古マンションの売却を成功させるには「不動産会社の見極めが最も大切」と、不動産コンサルタントの高橋正典氏は言います。日下部理絵氏、高橋正典氏、畑中学氏による著書『絶対に失敗しない! 中古マンションの見極め方』(ビジネス教育出版社)より、詳しく見ていきましょう。
自宅マンションをできるだけ高く売りたいなら…必ず知っておきたい〈デキる不動産会社〉を見極めるコツ【住宅のプロが助言】
中古マンションの売却を成功させる「要因」として重要なのは?
不動産会社の業務に賃貸と売買があるが、実は売買の中でも「購入」と「売却」ではそのノウハウに違いがあることはあまり知られていない。不動産会社のホームページを見ると、ほとんどの会社が物件情報を掲載している。つまり、「購入」する人に対しての情報提供ということだ。それくらいほとんどの不動産会社は、「購入者」をメインにしているといえる。中古マンションの売却を成功させる要因の8割は、不動産会社選びが握っているといえるのは、ここに理由がある。この8割という数字はおおよその経験則に基づくものだが、それくらい不動産会社選びが重要だということである。
売却が得意な不動産業者を見極める「7つのポイント」
では、「売却」のノウハウがある不動産会社はどう見極めれば良いのか。7つのポイントを解説していこう。
①売却に特化したノウハウを持っている
例えば、家の中に家具などの荷物をできるだけ置かないほうが、買主に好印象を持ってもらいやすい。荷物の一時預かりサービスが使えれば、家の中をスッキリと見せることができる。さらに、見栄えのよい家具や家電を置くなど、室内をモデルルームのようにして魅力的に見せる「ホームステージング」という方法がある。また、Webサイトに物件情報を掲載する際に、室内の家具や荷物をCGで消すことも可能だ。このようなサービスの有無で、売却ノウハウがある会社なのかを見分けられる。
②売却のストーリーや手順を説明してくれる
住宅の住み替えは資金計画やタイミングが難しく、手順を間違えると、トラブルに見舞われたりもする。「どのタイミングで売り、どれくらいの売却代金が入り、ローンの返済と頭金でどれくらいの物件が購入できるようになるか」「仮住まいするとしたらいつぐらいに引っ越して、いつぐらいに新居を購入するか」といった、ストーリーや手順を明確にしてくれるかどうかを聞いてみよう。
③中古住宅用「瑕疵保険」を取り扱っている
不動産を売りやすくするには、買主の不安を解消してあげることが大切だ。
例えば、「売った後にどんなトラブルが発生するかわからない」というのも買い主の不安のひとつである。新築では義務化される保証だが、中古マンションにはない。しかし、国土交通省指定の法人が提供する中古住宅用の「既存住宅売買瑕疵保険[図表1][図表2]」という制度がある。これを活用することで中古住宅にも保証が付き、売りやすくなるのだ。この保険の扱いがあるか否かでノウハウの有無が計れる。