長年暮らしてきたマイホームを手放すときが来たら、納得できる価格で、トラブルなしで売却できるのが理想。中古マンションの売却を成功させるには「不動産会社の見極めが最も大切」と、不動産コンサルタントの高橋正典氏は言います。日下部理絵氏、高橋正典氏、畑中学氏による著書『絶対に失敗しない! 中古マンションの見極め方』(ビジネス教育出版社)より、詳しく見ていきましょう。
自宅マンションをできるだけ高く売りたいなら…必ず知っておきたい〈デキる不動産会社〉を見極めるコツ【住宅のプロが助言】
ココで見極める!「マンション売却向き」の不動産業者
④売却に関する情報がホームページで充実している
購入者向けの情報を掲載しているだけではなく、売却に関するノウハウや実績などがきちんと掲載されているかどうか。このことから、その会社が売却に力を入れていることがわかる。また、不動産会社の経営方針や事業実績、コンプライアンスに対する方針なども確認しておきたい。会社の姿勢を知る目安になる。
⑤リフォーム提案ができる
中古マンションの売買にはリフォームがつきもの。購入を検討する依頼者からは、「リフォームが必要なのはどの箇所で、いくらぐらいかかりますか?」という質問をよく聞く。それに対して、「キッチンの交換はした方がいいですね。100万円くらいになります」などとアバウトに回答していたら、購入希望者はその情報を鵜呑みにして、「物件価格+100万円か……」などと判断してしまう。
そのようなあいまいな情報ではなく、正確なリフォーム費用を教えてあげた方が、買主にとってイメージがしやすくなる。リフォームを行っている、または綿密に連携している会社があることは大事なポイントになる。
⑥売却に関する税金情報を提供している
不動産の売却に当たっては、譲渡税や所得税など複雑な税制が絡んでくる。自社のパンフレットを提供できるなど、税金に関する詳しい情報を提供してくれる会社かどうかは、大切なポイントになる。
⑦インターネット広告を豊富に出している
物件情報をきちんと消費者の目に届かせるためには、インターネットによる広告が欠かせない。「スーモ」「ホームズ」「アットホーム」などの三大不動産ポータルサイトがあるが、全部、あるいは最低でも2つに掲載してもらえるかどうか、確認しよう。大手不動産会社の中には、自社サイトに情報を載せて終わり、という対応もよくある。しかし、自社サイトだけでは、幅広いユーザーに情報を届けることはできない。
なお、ポータルサイトに広告を出すには広告費がかかる。不動産会社は、売買契約が決まったら受け取る仲介手数料の中から広告費を捻出することになる。したがって、広告費をどれだけかけるかで、本気度も見えてくる。
日下部 理絵
マンショントレンド評論家、住宅ジャーナリスト
高橋 正典
不動産コンサルタント
畑中 学
不動産コンサルタント、武蔵野不動産相談室株式会社代表取締役