「いつか使うかも」「もったいない」という理由でなかなか物を捨てられない、という人は少なくありません。しかし、「ものを所有するだけで管理コストがかかっている」と、ベストセラー作家である有川真由美氏はいいます。有川氏の著書『お金の不安がなくなる小さな習慣』より、「ものを所有すること」が私たちの人生にもたらす影響について詳しく見ていきましょう。
“取捨選択”のクセをつく「ある習慣」とは?
「お金持ちの家はものが少ない」などと言われることがありますが、多くの人はなんとなくイメージできるはず。テレビドラマや雑誌に出てくるリッチなお宅は、広いこともありますが、床や壁面が広く露出していて余裕を感じさせます。
対して、経済的に余裕のない家庭ほど、細々した生活用品が山積みされていたり、ひどい場合は足の踏み場がなかったりします。私も、もともとは、ものを捨てられない性格でした。手放すことは、ときに痛みや不安を伴うもの。「いつか使うかも」「もったいないから」という気持ちもあり、捨てる決断を先送りするうちに、どんどんものがふえていきました。
しかし、それらのほとんどは使わないもの。あれもこれもととっていると、ほんとうに必要なもの、大切なものが紛れてしまい、見つけにくくなるのです。
お金や時間の余裕を自らつくってきた人は、“取捨選択”ができる人といえます。仕事も生活もなにを取り入れて、なにを捨てるか判断することの連続。自分にとって大事な部分にお金と時間を集中させて、あとは切り捨てる勇気が余裕をつくります。
また、夢や目標を叶えたい人、自分の会社や家族など守るものがある人など、なにかを得ようとするなら、なおさら「捨てる勇気」が必要でしょう。
そんな“取捨選択”をするためにも、まず「3秒以内に捨てる」習慣をおすすめします。捨てる判断基準は「いま、使っているか」がすべてです。「これは半年使ってないな」などと思ったら、その場で3秒以内に捨てて。ゴミ捨てや掃除の前に家をぐるりと一周してチェックするのもおすすめ。思い出の品などは厳選して小さな“思い出ボックス”を作るか、写真に撮ると捨てやすくなります。
「要るもの」「要らないもの」を仕分けして、少ないもので暮らそうとする習慣は、お金の不安も小さくしてくれるはずです。
有川 真由美
作家