「いつか使うかも」「もったいない」という理由でなかなか物を捨てられない、という人は少なくありません。しかし、「ものを所有するだけで管理コストがかかっている」と、ベストセラー作家である有川真由美氏はいいます。有川氏の著書『お金の不安がなくなる小さな習慣』より、「ものを所有すること」が私たちの人生にもたらす影響について詳しく見ていきましょう。
クローゼットの「適正量」を決めて、それ以上はふやさない
ついムダな買い物をしてしまい、活用できないことの大きな原因は、家にあるものが多すぎること。たとえば、クローゼットに服がぎっしり詰まった状態だと、どこになにがあるのか把握しきれなくなり、似たような服や、コーディネートしにくい服を買ってしまいます。
お金の管理ができている人は、ものの管理もできているもの。適正量を決めていて、それ以上はふやさないことにしているのです。
クローゼットは、服や下着、靴下、バッグなど余裕をもって収まる程度の適正量にして、それをキープ。手持ちの服を厳選すると、使用頻度が高く、日々のコーディネートであれこれ悩まなくなります。服が数多くあると「たまにはこの服も着なきゃ」と服に振り回される感覚になります。「ものを所有するだけで管理コストがかかっている」という考えは、ベースにもっておいたほうがいいでしょう。
本も、適正量を決めなければ、どんどんふえていくもののひとつ。私も本棚を買い足したい気持ちになることがありますが、よく考えると、何度も読み返す本はそれほど多くないのです。存在すら忘れている本もあるほど。新しい本がふえて、本棚からはみ出した分は、リサイクルか人に譲るかで処分します。
食器類、調理器具、タオルなども収納スペースに収まるだけの量に調整しましょう。ティッシュや洗剤などの消耗品は安いときに買いすぎてしまいがちですが、一定量を超えると在庫確認がしにくくなります。
管理の基本は、“所有量”。適正量を守れば、時間も使うお金もスリムアップできるのです。厳選したお気に入りのものだけで暮らす快感を、ぜひ味わってください。