病院によって料金に大きな開きがある

動物医療は自由診療のため料金は病院によって大きな開きがあります。手術というとどうしても高額になり、大体の相場を知りたいという声が多いものの、明確な回答が出しにくいというのが実状です。

公益社団法人日本獣医師会による家庭飼育動物の診療料金実態調査を参考に算出した金額を掲載したので、大体の目安としてご覧ください。

公益社団法人日本獣医師会HP 家庭飼育動物の診療料金実態調査を基に算出 
[図表1]手術や検査、処置の料金の目安 公益社団法人日本獣医師会HP 家庭飼育動物の診療料金実態調査を基に算出
出所:『獣医さん、聞きづらい「猫」のことぜんぶ教えてください!』(日東書院本社)より抜粋
イラスト:たまゑ

個体差による料金の幅

手術料金は、病状や猫の体格・年齢などによって事前の血液検査の種類や調べる項目数がちがうので、猫さんごとに総額が変わります。

また、病院によって術前検査、麻酔、入院、薬、抜糸などを合わせた金額を提示するケースと、別途で提示するケースがあります。

手術に関わるスタッフ数も病院によって異なり、それぞれ料金に反映されることがあります。

例えば猫の避妊手術の場合、一般的には1泊入院して麻酔がさめた後の様子を見て退院するので入院を含めた費用となりますが、朝早くに預かり、夜遅くにお返しするような場合、入院費はかかりません。

ただ、病院によっては泊まらなくてもお預かりとして入院費が発生することもあります。また、子宮と卵巣を同時に切除する手術、卵巣切除だけの手術など術式のちがい、それに伴い麻酔料も変わってくるので、料金に大きな開きが出ます。

タンパクや糖が出ていないかとかpHや比重を調べる尿検査も、自分で採尿すればできる人間とちがい、動物は純粋な尿を取るのが難しいため、遠心分離機にかけて沈渣物を顕微鏡で見たり、場合によってはカテーテルを使って導尿を行ったり、膀胱穿刺といって膀胱に直接針を刺して採尿する処置を行ったりすることもあります。

その場合、超音波検査機で膀胱を確認しながら処置は獣医師も含めふたり以上で行います。尿検査ひとつとっても方法が多様なので料金に幅があるのです。

病院により同じ処置・手術でも開きがあり目安や平均値の算出は難しいのが実状