猫を病院に連れて行ったら、思っていたよりも高額で慌てたことのある人も多いのではないのでしょうか? 猫を病院で診てもらう大体の値段をあらかじめ知っておけば安心でしょう。著書『獣医さん、聞きづらい「猫」のことぜんぶ教えてください!』(日東書院本社)より、宮下ひろこ氏が解説します。
事前に見積もりを出してもらうのがベスト
動物病院によっては、手術の際にかかる麻酔料は動物種や体重、時間などで細かく料金設定しているところもあります。病名や手術名が同じでも、動物の全身状態や合併症の有無などで、入院が予定より長期になることもあります。
夜間救急病院や時間外の対応であれば、おのずと料金は基本より上がります。初診料が1万円前後、そのほかすべての処置に夜間割増などが加算されるのでトータルで高めになります。夜間に応対するスタッフの人件費や救急に対応するための設備などを考慮すれば相応と考えられるでしょう。
手術料金は高額になることが多いので、最近は事前に見積もり書を用意する病院も増えています。術前検査や全身麻酔など明細がはっきりわかるので安心ですね。
また、手術が無事に終わってもしばらく投薬が必要だったり1週間後、1か月後など予後診断が必要だったりする場合もあり、それぞれに料金も発生することをふまえておきましょう。
ペット保険という選択
比較的低額な料金設定をしている病院でも、手術や高度な治療となると、健康保険がない猫の場合、それなりの料金になります。
多彩なペット保険が登場しているのも、そうした背景があるからでしょう。若いうちは元気な猫さんでも7歳、8歳を過ぎるとさまざまな不調が出てきます。これは人間も同じですね。
今、動物医療はどんどん進化して、治る可能性の高い治療法や、痛みや苦しみを緩和してQOL(生活の質)を上げる処置などが増えています。愛猫のために最善のケアをしてあげたいと思ったときにお金が障壁になるのは辛いもの。そういう意味でもペット保険加入は検討する価値があります。
基本的には医療保険なので死亡時の補償などはありませんが、通院や入院、手術など、かかった治療費の一部を補償してくれます。
多いのは50〜70%、なかには100%補償の商品もあります。年間の支払い限度額や、限度回数が設定されていたり、年齢によって加入制限があったり、手術だけを対象としたりと、さまざまな保険商品があるので、愛猫の年齢や体調、ご家庭の事情などをふまえて、ベストな選択ができるとよいですね。
ペット保険を選ぶ際のチェック項目です。参考にしてください。
・加入・更新できる年齢制限
・補償の対象(通院・入院・手術)
・補償の割合
・補償の限度(回数・日数・金額)
・免責の有無
・保険料が定額か変額か