猫を病院に連れて行ったら、思っていたよりも高額で慌てたことのある人も多いのではないのでしょうか? 猫を病院で診てもらう大体の値段をあらかじめ知っておけば安心でしょう。著書『獣医さん、聞きづらい「猫」のことぜんぶ教えてください!』(日東書院本社)より、宮下ひろこ氏が解説します。
猫の平均医療費は年間4万8,000円
猫に何かあったとき、備えがあると心強いですよね。まずはいくらくらい準備すればよいか考えてみましょう。
アニコム「家庭どうぶつ白書2022」によると、治療費やワクチン、健康診断を合わせた猫の平均医療費は、年間で約4万8,000円。猫の平均寿命は14.4歳なので、計算上では生涯にかかる医療費は約69万円です。
保険料2万9,900円と設定し、同様に平均寿命をかけると約43万円となります。人間とちがい健康保険が効かない猫の場合、手術や抗がん剤治療などをするとあっという間に何十万、場合によっては総額で百万円を超えることも。もちろん生涯大きな病気をせず、ごくわずかの医療費で済む子もいるでしょうが、こればかりは予測できません。
普段から備えることで心に余裕を
愛猫に最善の治療をするために大きな借金をした人もいます。一方でお金の問題で治療をあきらめ、後悔し続ける飼い主さんもいます。
結局備えはあればあるだけ安心。無理はしない範囲でいざというときのために用意しておくとよいでしょう。記したようにペット保険を検討してみるのもよいと思います。または、保険料の分を貯金に回して、毎月計画的に貯めるのもよいでしょう。
何かあったときのために準備する際、最初の診療やさしあたっての治療費として50万円を目安にするとよいでしょう。猫用の口座か貯金箱にストックしておくか、50万円を目標に毎月貯めていくのもよいですね。猫専用を作ることで意識も高まり、貯まっていく安心感も生まれます。それは心の余裕にもつながります。
【この記事のポイント】
治療費・診療費、準備する目安は50万円を猫用口座・専用貯金箱に
治療費・診療費、準備する目安は50万円を猫用口座・専用貯金箱に
宮下 ひろこ
獣医師/動物病院専任カウンセラー