Q3.「白色申告」と「青色申告」って何?

確定申告には白色申告と青色申告の2種類があります。青色申告するには事前に税務署への届出が必要になるため、手続きをしていない場合は自動的に白色申告となります。

簡単にいうと、白色申告は手続きが簡単ですが、控除額が少ないので税金が高くなります。青色申告は、手続きが複雑で適切な帳簿の提出が必要ですが、控除額が大きく節税効果があります。

副業やフリーランスで得る収入が少ないうちは、白色申告でも良いと思いますが、収入が増えてきたら青色申告にしたほうがメリットがたくさんあります。

●青色申告のメリット

1.最大65万円の特別控除が受けられる。

青色申告には税負担を軽減する特別控除が設けられており、最大で65万円を所得から控除することが可能です。

もし収入が同じだった場合、青色申告を利用することで税対象となる所得が65万円減少し、それに伴って納税額も減少し、利益を享受することができます。ただし、e-Taxを利用した申告(電子申告)や電子帳簿保存を行わない場合には、最大で55万円の控除に限定されます。

2.赤字を繰り越しできる

青色申告を選択すると赤字の繰り越しができます。

これは、たとえば前年に100万円の赤字があり、翌年に200万円の利益を上げた際、白色申告では200万円の利益に対する税金を支払わなければならないのに対して、青色申告では200万円の利益から前年の赤字100万円を差し引いた100万円分の税金だけを支払えば良くなる、というメリットがあります。この赤字の繰り越しは3年間可能です。

3.家族への給料を経費にできる

青色申告にはいろいろな利点がありますが、特に注目すべき点は「専従者の給与を経費として計上できる」という特典です。

専従者とは、簡単に言うと、あなたの仕事を支援してくれる(主に従事している)家族のことを指します。家族に給与を支払い、それを経費として計上することで税金の節約が可能になります。

4.30万円未満の固定資産は一括で経費計上できる

白色申告では、仕事用のパソコンや車など10万円以上の固定資産については、利用可能な期間に基づいて減価償却を適用する必要があり、購入から経費として完全に計上するまでにはかなりの時間がかかります。

しかし、青色申告を選択すると、30万円未満のアイテムは一括で全額経費として計上できるので、これにより税金の節約が可能となります。

5.家賃や水道光熱費なども経費にできる

副業・フリーランスの人の中には、自宅を事務所としても利用しているケースが多いでしょう。青色申告を選ぶと、そうした場合に家賃や電気代、インターネット料金などが経費として計上できます。

ただし、自宅は生活空間としても使っているため、家賃の全額を経費とすることはできません。しかし、事業に使っている部分に応じて家賃を経費とすることができるので、適切な割合で計上することが可能です。

この方法で日々の固定費の一部を経費として計上することにより、節税のメリットを享受できます。白色申告の場合、事業利用の割合が50%以上でないと経費として認められません。