例年、エネルギー価格が高まる傾向にある北半球の冬ですが、世界のエネルギー価格は下落トレンドにあります。なぜなのでしょうか? みていきましょう。

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暖房需要が高まりはじめるなか、エネルギー価格は下落傾向

暖房需要が高まる北半球の冬季に入りました。ウクライナおよびイスラエル周辺の混乱は未だ続いており、資源供給への不安感も高いままです。そんなエネルギー価格が高騰してもおかしくない局面にある現在、原油や天然ガスの価格はむしろ下がっています。

 

WTI原油先物とブレント原油先物はともに9月末、天然ガス先物は10月末をピークに右肩下がり。米国民を苦しめていたガソリン価格高騰も一息つき、1ガロン当たり平均3.19ドルと、1か月前と比べて約22セント下落しました。

 

なぜ今、エネルギー価格が下がっているのでしょうか?

「OPEC+」が減産計画を発表するも、市場の警戒感は高まらず

原因の1つと言われているのが、OPEC+の生産調整です。原油の価格を保ちたいOPEC+(OPEC加盟国にロシアなどを加えた枠組み)は、11月末に来年初より日量220万バレルの減産を行うことに合意しました。しかし、あまりに急すぎる計画に実現性が疑われ、狙いとは裏腹に下落トレンドを加速させる結果に。発表の翌週末の12月7日にはブレント先物は1バレル=74ドルを割り込み、6カ月ぶりの安値を記録しました。

 

市場がOPEC+の計画を信用しない理由は、スケジュールだけではありません。S&P Global Plattsの調査によると、2020年5月の時点で、OPEC+の減産合意に対する遵守率は約85%でした。OPECの13か国は割り当てに対して82%の遵守率を示し、ロシアを含むその他の9か国は91%の遵守率でした。しかし、イラクやナイジェリアなど一部の国では割り当て量を超えて生産することを繰り返しており、足並みは揃っていません。今回はその急さも手伝って、遵守率はさらに下がると予想する人が多いようです。

 

このように供給減要因の信憑性が低いことに加え、原油高騰時にアメリカをはじめとする非OPEC産油国が生産量を大きく増やしたことも、供給量が減らないであろうという予想を後押ししています。

中国経済の失速による需要減の影響も

また、中国経済の失速もエネルギー価格に大きな影響を及ぼしています。世界最大だった人口(現在はインドに交わされ2位)による内需と安い労働力を武器に急成長した中国は、原油や天然ガスの輸入・消費量でも世界最大規模を誇ります。しかし、一人っ子政策の影響から人口は早くも減少に転じ、人件費もジワジワと上昇しているためアジア諸国に製造拠点が移りつつあります。そこに、ゼロコロナ政策による長期の経済活動停止や、不動産バブル崩壊、対米関係悪化による貿易緊張などが重なったことで、かつての勢いを失っています。

 

各種経済指標が突如非公開になったことも、それを証明しています。エネルギー消費に関するデータは手に入りづらくなりましたが、減少傾向にあるのはまず間違いないでしょう。世界有数の需要国の不調は、エネルギー価格下落の一因になっているものと考えられます。

 

とはいえ、ここ数年続いている気候災害が今年も起こり、物流混乱や燃料需要の急増が発生する可能性は決して低くありません。地政学上のリスクも各地で高まっていることから、油断はできない状況です。せめて厳しい冬を超えるまでは、エネルギー価格が落ち着いていてくれることを願うばかりです。

 

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本記事は、富裕層のためのウェブマガジン「賢者の投資術」(Powerd by OPEN HOUSE)にて公開されたコラムを、GGO編集部にて再編集したものです。
本記事は、掲載日時点の情報を基に作成しています。最新状況につきましては、スタッフまでお問い合わせください。