バタバタと葬儀を終えたあとも、「四十九日法要(納骨式)」が待っています。悲しみも癒えず、ゆっくり準備を進めたいところですが、『親を見送る喪のしごと』の著者で作家・エッセイストの横森理香氏は「やるべきことが多いため、葬儀後すぐに準備を始めるべき」といいます。四十九日法要までの具体的なタスクや準備物について、筆者の経験を交えて詳しくみていきましょう。
葬儀が終わったらすぐに準備を…「四十九日法要」までに必ず済ませておきたい〈8つのこと〉
「位牌」は四十九日までに必ず準備を
ネット調べで、私が事務所に作った祭壇は、中陰壇だったのかと驚いた。便宜的に設えたものではあったが、母の差し金だったのだろう。
白木の位牌は佐藤先生宅にあった。生前戒名が赤字で掘られた位牌が菩提寺にあり、それを命日も入れて四十九日に間に合うよう、金字に塗り替えてもらっていた。
生前戒名などない場合は、亡くなったらまず菩提寺に連絡をして、戒名をつけてもらうところから始めなければいけない。寺に嫁いだ友人に聞くと、「菩提寺と葬儀社と檀家さんで葬儀の日取りを決め、葬儀までに住職がお戒名をつけます」と言う。
お経の中に戒名を読み上げるので、戒名は必須なのだ。でも、そんなお金はかけられないという方は、自分で戒名をつけるやり方もネットに出ていた。不況、物価高のいま、自力戒名もいいんじゃないだろうか。
「命日から数えて3ヵ月にまたがってはいけない」…納骨式は早めに
「法事は3ヵ月にまたがっちゃダメ」と伯母に言われ、菩提寺に納骨式の日にちを変更してもらった。四十九日前でも、早い分にはいいというのだ。さらに、どの親戚や研究会の人たちを呼んだらいいか。これまたキーパーソンの確保が大事だ。
父方の親戚筋は従姉のミサちゃんに、母方は従姉の千津子姉さんに、研究会関係は浅川先生にお願いした。伯父たち、伯母たちもすでに他界していて、両家集めてもわずか三十人ぐらいのものだったから、電話連絡で事足りると思いきや、親戚の中にはちゃんとした書面でもらわねば困る、という人もいて、その作成もせねばならなかった。
どんな文章で書いたらよいかわからず、当時はネットで調べることもできず、佐藤先生に尋ねると、「理香さんらしい文章でいいんじゃないかな」と言われたので、適当にパソコンで書き、プリントして郵送した。
法事のあとの会食場所も、ミサちゃんにお願いした。私が山梨を離れたのはまだ高校生だったので、どこの料理屋さんがいいかとか、まったくわからない観光客レベルだったからだ。
四十九日の準備
やるべきことが多いため、葬儀後すぐに準備を始めましょう。
①日程を決める
②会場(自宅や菩提寺、ホテル、セレモニーホール等)を決める
③僧侶の手配
④案内状の作成・発送
⑤会食の手配
⑥引き出物の手配
⑦位牌の手配
⑧お布施やお車代の手配
当日の服装は喪服が一般的です。