商売も“聞き上手”のほうが成功する

ユダヤの諺に「神が人間に二つの耳と一つの舌を与えたのは、話すよりも聞くことを重視したからである」というものがあります。

人に溶け込めない人はよく「私は口下手で……」なんて言いますが、コミュニケーションが得意な人は大抵、人の話に興味をもって楽しそうに聞いている印象です。

仕事がデキる人も“話し上手”より“聞き上手”。たとえば、営業でありったけの知識をペラペラとしゃべりまくる人より、お客様の話をしっかり聞いて、その人に合った商品やサービスを薦めてくれる人のほうが信頼されるでしょう。

相手の話を聞くメリットは、印象がいい、情報が入ってくる、学びがあるなどいろいろありますが、いちばんは“観察力”が養われて相手を理解できるようになること。「この人はどんな人?」と話に耳を傾けるスタンスでいると、言葉だけでなく、表情、目の動き、声のトーン、動作、クセ、雰囲気など“観察”する習慣が生まれます。

「相手の求めるものを、相手が求めるときに提供する」は“商売”の基本です。

初対面でも、雑談をするときも、まず相手の話を聞くことから始めてみましょう。

ほんとうの“聞き上手”は、ただ話を聞くだけでなく、「えーー! 面白いですね!」と“感動上手”であり、「どうしてそう思ったんですか?」など“質問上手”。相手が気持ちよく話せるように合いの手を入れたり、引き出したりするのです。

自分のことを伝えるときも、相手の話に乗っかって「じつは私も〇〇が好きです」「それなら、いい情報がありますよ」などと話すとよく聞いてもらえます。

自分の話を聞いてくれた相手の話は、ちゃんと聞こうとする態勢になるのです。

「口を閉じるほど、自分の話を聞いてもらえる」という諺も納得するはずです。