コーヒー豆のひき具合で、コーヒーの濃度は変わります。自分好みのコーヒーを飲むために、コーヒー豆を挽くミルの選び方をみてみましょう。家庭でも挑戦できるおいしいコーヒーの淹れ方について、著書『至高のコーヒーの淹れ方』(エクスナレッジ出版)より、畠山大輝氏が解説します。
高価だが「みるっこ」がおすすめなワケ
電動グラインダーでおすすめできるのは、コニカル式やフラットディスク式の刃を採用するモデルです。こちらは挽く前に粒度を設定することができ、プロペラ式のグラインダーに比べはるかに粒度の均一性を取ることができます。
電動グラインダーも手挽きミルと同様、刃や機構の仕様で非常に大きな価格差や性能差があります。私が使ったことがある範囲でいえば、1万円台の価格帯だと、デバスタイルやデロンギのモデルがおすすめです。安価な割に性能がよくて、挽く速度もそれなりに速いので、初めて買う電動グラインダーにはいいのではないかと思います。
2万円台から4万円までの価格帯だと、カリタの「ナイスカットG」や、ウィルファの「スヴァートアロマ」がおすすめです。このあたりになると粒度も揃いやすく、微粉も少なくなってきます。これらを使っている喫茶店やカフェなども見かけます。
5万円台になると、フジローヤルの「みるっこ」が断然おすすめです。ハンドドリップからサイフォン、エスプレッソまで幅広い抽出方法に対応でき、その実力は「競技会レベル」といっていいくらいしっかりしています。実際、私が優勝した2019年のハンドドリップチャンピオンシップやブリュワーズカップでも、この「みるっこ」を使用していました。
お店で挽いてもらう
自分でコーヒー豆を挽くための解説をしてきましたが、実は、お店で挽いてもらうというのも、1つの有効な選択肢です。コーヒー豆のお店には業務用のグラインダーが置いてありますが、それこそ何十万円もする代物で、家庭用と比べても性能は段違いです。
「挽き立ての豆のほうがいい」といっておきながら逆のことをいうようですが、廉価なグラインダーを使って自分で挽くよりも、業務用のグラインダーを使って、お店のおすすめの挽き目で挽いてもらった粉のほうが、よほどおいしく淹れられるというのも事実です。
ただし、粉に挽いてもらったら、できるだけ早めに飲みきるようにしましょう。1週間以内に飲み切る量の粉を、こまめにお店に通って買うのが理想的といえるかもしれません。もし、買った粉が短期間で飲み切れなかった場合は、冷凍庫で保管するのがおすすめです。
私が自分のお店で使っているグラインダーは、マールクーニックのEK43。挽いた粉の粒度の分布に定評があります。
畠山 大輝
Bespoke Coffee Roastersオーナー
コーヒー焙煎士/コーヒー抽出士