生きていくうえで欠かせない「お金」だからこそ、果てない物欲に身を任せていては、一生満足できず、将来への不安も尽きることはないでしょう。そんな状況への打開策として、作家の有川真由美さんが提案するのは「必要最低限のお金があれば生きていけると考えること」。有川氏の著書『お金の不安がなくなる小さな習慣』より、お金との向き合い方について詳しく見ていきましょう。
「最低限、これだけあれば暮らせる」という金額を心の片隅にもっておく
ウルグアイのムヒカ元大統領とルシア夫人に教えてもらったことのひとつは、「必要最低限のお金」と、やりたいことができる健康状態、信頼できる人間関係があれば、じゅうぶん幸せに生きていけるということでした。「もっと欲しい。あれがなきゃ嫌」と欲しがってばかりでは、一生満足できず、将来のことも不安でいっぱい。
「必要最低限のお金」があれば生きていけると考えれば、不安は小さくなるのです。「お金のことが不安」と言っている人のほとんどは、先のことをぼんやり心配しているだけで、具体的な対策を立てていないものです。
「最低限、月〇〇円あれば暮らせる」と、現実的に必要最低限レベルの生活をシミュレーションしてみると、なんとかなるような気がしてくるはずです。
「必要最小限のお金」といっても人によって違いがあるもの。友人のなかには「最低、月50万円ないと暮らせない」という人もいれば、「年収100万円だけど、なんとかなっている」という人もいます。後者の友人は、親の残した家にひとりで住んでいて、あまりお金を遣わないライフスタイル。読書や家庭菜園、保存食づくりなど好きなことして、ゆたかに暮らしているのです。
「必要最低限のお金」のハードルが高い人ほど不安になるのは当然。ハードルが低い人ほど、生活の目途が立ちやすく、やりたいことをやれる展望も開けてくるでしょう。「いまはなにかと支出が多くても、いざとなれば毎月〇〇円で暮らせる」という金額をわかっているだけで、気持ちは軽くなります。
収入と支出の具体的な見通しを立てたり、最終手段を考えたりしておくことで、焦らず、いまに集中できるのです。
「必要最低限の金額」を心の片隅にもって「なんとかなる!」と進んでいきましょう。
有川 真由美
作家