再婚相手が亡くなったときの「相続問題」の乗り切り方

再婚相手が先に他界した場合、遺産相続の問題が発生します。

再婚相手に前配偶者との子どもがいれば、現配偶者と子どもが法定相続人となり、それぞれ2分の1ずつ財産を引き継ぐのが基本です。

子どもの側からすると、父親が「おひとりさま」のままでいれば、父親亡きあとには子どもたちがすべてを相続することになりますが、再婚して他界すれば、相続財産の半分が現配偶者に引き継がれてしまいます。もし子どもが、親の財産すべてを相続するつもりでいた場合は、トラブルの原因になりかねません。

そのため、どの財産を、誰に、いくら継がせるか、再婚する前に決めておく必要があるのです。

遺産をどのように分割するかを決めたら、被相続人の意思を尊重し、相続を円滑に進めるためにも、遺言書の作成が必須となります。

◆不動産を相続する場合の注意点

相続財産に不動産がある場合は、遺産分割にはとくに注意が必要です。

もし再婚した夫の資産構成が、都心の一等地の自宅とわずかな預貯金だったとしましょう。もし再婚した妻が自宅を相続してしまうと、遺産分割のバランスが悪くなり、相続争いが起きる可能性が高くなります。そうなると、子どもに代償金の支払いを求められる可能性も高くなります。

そのようなトラブルを回避するには、配偶者が無償で自宅に住み続けられる「配偶者居住権」の取得が必要であり、そのためにも遺言書が不可欠なのです。

◆夫亡きあとの生活資金が不安なら…

もし、老後資金が不安で、多くの財産を受け取りたいなら、生命保険への加入を検討しましょう。夫を契約者・被保険者、妻を受取人にした終身保険に加入すれば、死亡保険金は遺産分割に関係なく、妻は確実にお金を受け取ることができます。

岸田 康雄
公認会計士/税理士/行政書士/宅地建物取引士/中小企業診断士/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/国際公認投資アナリスト(日本証券アナリスト協会認定)

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