分散投資は「ローリスク」な投資が可能

それだけではありません。より効率的に」投資ができる点にも大きなメリットがあります。[図表3]のケースを考えてみてください。みなさんは、どちらを選びますか?

出典:『口座開設から銘柄選定・利益確定まで ファイナンシャルプランナーが手取り足取り教える新NISA』(彩図社)より抜粋
[図表3]どちらを選ぶ? 出典:『口座開設から銘柄選定・利益確定まで ファイナンシャルプランナーが手取り足取り教える新NISA』(彩図社)より抜粋

①を選ぶという方は、このまま読み進めるより、競馬場へ向かった方が良いかもしれません。ほとんどの方は、②を望むはずです。100万円儲かるかどうか分からない上、大損するかもしれない①より、半分でも「絶対に儲かる」②の方に魅力を感じたはずです。

つまり、「どれだけ儲かるか」よりも、「絶対に儲かる」ことの方に魅力を感じたのです。これがまさに、リスクです。

リスクを直訳すると「変動幅」になります。儲かったり損したりしたときの結果の幅です。

絶対に50万円儲かるのであれば、リスクは0ということになります。だから魅力的なのです。逆に、リスクの大きい投資は魅力が低下します。よって、リスクの小さい投資ができる人は賢いのです。

そして、よりリスクの小さい投資を実現してくれるのが、分散投資です。

性格の異なる資産を組み合わせることで、どれかの資産が大きく値下がりしても、他の資産が値上がりすれば、全体的な損失を小さくできます

出典:『口座開設から銘柄選定・利益確定まで ファイナンシャルプランナーが手取り足取り教える新NISA』(彩図社)より抜粋
[図表4]組み合わせでリスクを小さくする 出典:『口座開設から銘柄選定・利益確定まで ファイナンシャルプランナーが手取り足取り教える新NISA』(彩図社)より抜粋

もちろん、どれかの資産が大きく値上がりした時に、他の資産が値下がりして利益が小さくなる可能性もありますが、どちらも結果として、変動幅を小さくできます。

[図表4]のようなケースで、Aだけに投資をしているとリスクが大きくなりますが、AとBに半分ずつ投資することで、結果の変動幅がより小さくなっていることが分かるはずです。

このような、異なる値動きを示す資産を組み合わせてリスクを小さくすることが、分散投資の効果であり、魅力なのです。


小山 信康
CFP®
1級企業年金総合プランナー