40歳前にして5,000万円程度かけて実現する、夢の一戸建て。これが注文住宅を実現した人たちの平均像。それから20年あまり。多くの人が初めの大きなリフォームに臨みます。予算は平均223万円。決して少なくない額で、おおよそ9割の人が自己資金で賄っているそうです。しかし収入が心許なくなっていく60代。できるだけ費用は抑えたいもの。そこで活用したいのが、補助金・助成金制度です。
高齢期を見据えた「リフォーム」活用したい補助金・助成金制度
70代、80代、さらにその先も自宅で快適に暮らすためのリフォーム。ガイドラインを設けて促しているとはいえ、懸念はその費用。前出の『令和4年 住宅市場動向調査』によると、戸建てのリフォーム、ローンを利用しているのはわずか6.1%。ほとんどの人が自己資金のみで定年後のリフォームを実現しています。
とはいえ、定年、そして現役引退で収入の先細りが見えているなか、予算が潤沢にあるわけでなく、誰もが工事費用は安く抑えたいと考えているもの。そこで活用したいのが、補助金・助成金制度です。リフォームに関して活用しやすいのは、①「介護・バリアフリー」②「エコ・省エネ」③「耐震性確保」の3つ。
「介護・バリアフリー」のリフォームの際に、利用しやすい助成金制度のひとつが「介護保険」。要支援・要介護者が住む場合、20万円を上限に自己負担金1~3割で、手すりやスロープ設置などを行うことができます。また地域によっては高齢者の住まいであれば、バリアフリーリフォームのための補助金を受給可能なケースも。
「エコ・省エネ」のリフォームで申請できる補助金制度は、国が支援するもののほか、自治体独自で用意するものなど、数多くあります。断熱リフォームの際に申請できる「既存住宅における断熱リフォーム支援事業」や「次世代省エネ建材の実証支援事業」は人気がある制度で、たとえば断熱パネルや潜熱蓄熱建材を導入する改修工事を行う際、「次世代省エネ建材の実証支援事業」により、一戸建てなら200万円/戸を上限に、補助対象経費の2分の1が支給されます。
「耐震性確保」のリフォームで補助対象になりやすいのは1981年5月31日以前に建築確認を受けた、旧耐震基準時期の建物。ただ自治体により対象になる建物等は異なり、2000年(平成12年)5月31日以前という自治体も年々増加しています。
多くの自治体でリフォームに対する補助事業が実施されてていまが、条件等は異なるので詳細については居住する自治体に確認をしましょう。
またバリアフリーや省エネ、耐震などのリフォームについては、自己資金で行う場合、それぞれ最大で20万~25万円程度が所得税から控除。固定資産税は、1年間に限り2分の1~3分の1程度減額されることも。このように「リフォーム減税」も忘れずに活用したいもの。年によってその内容は変わる可能性があるので注意が必要です。
[参考資料]