60歳で定年を迎え、そこで手にする平均2,000万円近い退職金。長年、頑張ってきた自分を労わってプレゼントを贈るのもいいかもしれません。たとえば、大人になったら1本は持っておきたいと考えていた「高級時計」。でも60代で初めて手にする高級時計、何を選べばいいのか分からない。そこで時計ジャーナリストとして活躍する松田朗さんに「これっ!」という1本を勧めてもらいました。
定年退職金2,000万円…40年近く頑張ってきた自分に何を贈りますか?
日本経済団体連合会『2021年9月度 退職金・年金に関する実態調査』によると、大卒・勤続38年、定年退職者の平均退職金額は2,243.3万円。高校卒・勤続42年の平均定年退職金は1,953.0万円でした。
学卒時に入社した会社で働くこと40年前後。「この会社ひと筋で頑張ってきました!」という人も多いいまどき60代の定年退職者。2,000万円前後の退職金を手にしています。
気になるのは「退職金の使い道」。一気に大金を手にしますが、何に使うのでしょうか。一般社団法人投資信託協会『60歳代以上の投資信託等に関するアンケート調査報告書-2021年(令和3年)』で「退職金の使い道」を聞いたところ、圧倒的No.1は「預貯金」で62.5%。全額ではないにしろ、趣味等、自分のために使うのは5人に1人程度。ほか回答のラインナップを見てみても、堅実的な60代の姿が浮かんできます。
【退職金の使い道】
預貯金…62.5%
日常生活費への充当…26.3%
旅行等の趣味…22.3%
資産運用のための金融商品の購入…21.0%
住宅のリフォーム…19.4%
家電など、耐久消費財の購入…11.0%
子どもや孫の教育費や結婚費用等…9.3%
開業・企業資金…2.4%
その他…3.9%
特にない…8.6%
定年退職後も働くか、働かないかは人それぞれですが、どちらにせよ、先行き不透明な老後生活が訪れます。「そのときのために残しておこう」と考えるのは、当然なことかもしれません。
しかし全額ではないにしろ、40年近くもただひたすらに頑張ってきた自分にご褒美を買っても罰は当たらないはず。たとえば、若かったときに高くて買うことのできなかった憧れの高級時計。もう少し大人になったら高級時計のひとつでも持ちたいと思っていたけど、その頃になると、今度は子どもの教育費に住宅ローンの返済にと、とても余裕がなく……定年退職した“いま”は、そんな先送りになっていた憧れを叶える絶好のチャンスかもしれません。
ただ、いざ高級時計を買おうとなると「絶対失敗はしたくない!」と思うもの。そこで時計ジャーナリストとして数々のメディアで活躍する松田朗さんに話を聞きました。
――定年退職を迎えた60歳のサラリーマンに「自分ご褒美」として勧める時計は?