年齢を重ねると、骨や筋肉が衰えることにより、骨折などの大けがにつながるリスクが高まります。こうしたなか、『総合診療科の僕が患者さんから教わった70歳からの老いない生き方』(KADOKAWA)著者である医師の舛森悠氏は、手軽に「カルシウム」と「タンパク質」の両方がとれる“ある食べ物”をすすめます。その食べ物とはいったい何なのか、また具体的にどの程度食べるといいのか、みていきましょう。
タンパク質も豊富なヨーグルト
店頭に並ぶヨーグルトの中には、ビタミンDが添加されているものもあります。ビタミンDはカルシウムの吸収を助けるので、一緒に摂取することは理にかなっています。ヨーグルトを購入する際には、ビタミンDが含まれているかを確認してみるといいでしょう。
さらに、ヨーグルトをはじめとした乳製品はタンパク質も豊富です。タンパク質は、筋肉や骨を守って老化を予防するために欠かせない栄養分ですが、ヨーグルト2カップには、約10gのタンパク質が含まれています。
「日本人の食事摂取基準」によると、1日に摂取するタンパク質の推奨量は、18〜64歳の男性で65g、65歳以上で60g、18歳以上の女性では1日50gとなっています。タンパク質は意識しないと不足しやすいため、「タンパク質が足りていないかな」と感じたら、毎日のおやつをヨーグルトにするのもいいですね。
ヨーグルトには多くの乳酸菌が含まれます。乳酸菌の健康への影響は、乳酸菌の種類が多いこともあり、研究が進んでいないのが現実です。しかし近年、プロバイオティクス(ビフィズス菌や乳酸菌などの生きた微生物)への注目が集まっています。プロバイオティクスが便秘を改善するとの報告もあります。
僕も患者さんたちから「ヨーグルトを食べだしてから便通が改善した」という話をよく聞きます。個人差はあれど、ヨーグルトは便秘に有効ではないかと感じられます。
骨を強くし、タンパク質も豊富で、お腹の調子も整うヨーグルトをぜひ積極的に取り入れてみてください。
舛森 悠
医師