厚生労働省が「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を制定した2018年。6年経った現在も、老後への不安を抱えつつも「副業は怪しい」「怖い」と躊躇している人は少なくありません。そこで、5,000人以上に副業のやり方を伝授してきた『お金も知識も自信もない私に、稼げる副業を教えてください!!』(かんき出版)著者の宮中清貴氏が、副業を身近に感じる考え方について、対話形式でわかりやすく解説します。
好きなことで稼ぐことに“怪しさ”を感じる理由
田中:ところで宮中さん。いきなりですが……。僕、正直に言うと、「好きなことで稼げるよ!」って言っている人って「なんだか怪しいなぁ」と思ってしまうんですよね。本当のところ、どうなんでしょうか? 悪いことはしてないですよね?
宮中先生:そうか、怪しく感じるんだね(笑)。でも、僕の生徒さんや、僕の知る副業や起業をしている人たちは、みんな真面目に自分の好きなことや経験を活かして稼いでいる。
自分の経験や好きなことが、困っている人の力になったり、喜ばれたりして社会貢献になっているんだよね。悪いことなんて全くしていないから、安心してほしいな。
田中:好きなことをして社会貢献……、ですか?
宮中先生:そうだよ。みんな本当に喜ばれながら稼いでいる。確かに副業や起業、フリーランスで稼ぐことを怪しいと思っている人は、はじめくんに限らず多いと思う。
でもそう思ってしまうのには、理由があるんだ。それは、人間は、「知らないことを嫌う生き物」だからなんだよ。
田中:どういうことですか?
宮中先生:人間が知らないものに対して恐怖や違和感を覚えることは、動物の生存本能として当然のことなんだ。既に知っているものだけに囲まれていれば危険は少ないけど、未知のものにはどんな危険があるかわからないからね。
たとえば、はじめくんは、猫が人間にとって怖い生き物ではなく、安全だってわかるよね?
田中:はい、わかります。
宮中先生:でも、猫を知らなくて虎を知っている場合、猫も怖くならないかい?
田中:確かに食べられちゃいそうで怖いです(笑)。
宮中先生:同じように、知らないものには勝手に警戒心が生まれるものなんだ!
田中:野生の動物の本能みたいなものですか?
宮中先生:そう。動物が持っている生存本能。本能によって多くの人は、無意識のうちに知らないものを遠ざけようとして、受け入れられなくなる。
だから、ビジネスのしくみを知らない人は、馴染みのあるもの、たとえば会社で雇われることや、昔からある仕事や職業は受け入れられる。
でも、それ以外は、「怪しい(危険)」「やめておいたほうがいい(近寄ってはダメだ)」と否定的に考えてしまうんだ。そうやって生きているほうが、安全ですごく楽なんだ!
田中:僕が怪しいと思うのも、本能ってことなんですか?
宮中先生:そうかもしれないよね。近年一気に増えてきた、自分の経験や好きなことで副業をするといった、これまであまり見聞きしていないものは、特にそう感じやすいと思うよ。