近年、副業解禁の企業も増えてきていますが、「自分にはなんの取り柄もないし……」と、はじめる前から諦めている人も多いでしょう。では、秀でたスキルや能力がなくても副業を成功させるためにはどうすればよいのでしょうか。5,000人以上に副業のやり方を伝授してきた宮中清貴氏の著書『お金も知識も自信もない私に、稼げる副業を教えてください!!』(かんき出版)より、詳しく解説します。
副業を簡単に始めるなら…「パクること」が最も早い
【登場人物】
宮中先生……SNSを使ったビジネスの組み立て方や集客方法を教えるコンサルタント兼、起業家。幼い頃から太りやすい体質で、社会人2年目に10kgの減量に成功。自身のダイエット方法をSNSで教えるビジネスをはじめ成功を収める。ひょんなことから、はじめくんに副業の授業を行うことに。
田中はじめ……さえない営業職サラリーマン。営業成績はいつも最下位争い。後輩には “はじめちゃん”と呼ばれ、いじられる日々。今後の社会人人生と上がらない給料に、将来を憂いている。趣味はPCとゲーム、カメラ、YouTube視聴で、彼女なし。
宮中先生:でははじめくん、分析の前に大切なことを伝えるよ。副業を最も簡単に始める方法があるとしたら何だと思う?
田中:えーー、いきなり難しい質問ですね……。う~ん……、人気の商品を仕入れて売ること、でしょうか?
宮中先生:それももちろん正解ではあるよ。
物販になると、商品を仕入れる予算などもあるから、最初にそれをやるのは、少しハードルが高いかもしれないよね。実は、言葉が悪いけど、パクることが一番大切で早いんだ!
田中:え、パクるって……、いいんですか?(汗)
宮中先生:もちろんそっくりそのままパクるのはダメだ。
あとで詳しく説明するけど、世の中のビジネスのほとんどは、そうやって成り立っているんだよ。マーケティングの言葉で言うと「同質化」という戦略なんだ!
田中:え、そうなんですか? 同質化?
宮中先生:そうだね! たとえば、吉野家とすき家、マクドナルドとモスバーガー、コカ・コーラとペプシ、iPhoneとAndroid、並べてみるとどう?
田中:すごく似ていますね……。
宮中先生:そうなんだ。たとえば、iPhoneにいい機能が追加されたら、Androidにもあとから似たような機能が追加される。逆もしかりだね。家電だとすごくわかりやすいよね。洗濯機に乾燥機能が追加されて新商品が出れば、他のメーカーもこぞって同じく乾燥機能をつけて新商品を開発していくんだ! 市場はそうやって競争して成長しているんだよ。
田中:おおお! わかりやすい! 確かに、そうですね!
宮中先生:はじめくんも知っている「学ぶ」という言葉は「まねる(まねぶ)」という言葉が語源とされているんだ!
たとえば、両親を見て歩くまねをしてみたり、話すまねをしてみたり、表情のまねをしてみたり、大人になってきたら部活なども先輩のまねをして上手になるし、アルバイトも先輩のまねをして仕事ができるようになっていく。会社に入っても先輩や上司のまねをして仕事を学ぶよね。人間はまねをしながら学んで、成長していくんだ!
田中:パクるって言われると、抵抗がありますが、そう言われるとその通りだなって納得しました。
宮中先生:ビジネスの世界では、この考え方を「徹底的にパクる=TTP(ティーティーピー)」と呼んでいるよ。
諸説あるけど、トリンプインターナショナルの元日本法人代表である吉越浩一郎氏の言葉だと言われている。
田中:知りませんでした!
宮中先生:でも、ここですごく重要な問題があるんだ。
多くの人は、これまでの人生でカンニングはいけないことだと教えられているから、「人のアイデアをマネするのはダメだ」という感覚が刷り込まれているってこと。
田中:僕も「パクったらダメ」と言われる気がするので、抵抗がありますね。
宮中先生:そうだよね。でもビジネスは別なんだよ。どんなビジネスも、突き詰めて考えると、どこかしらの部分で何かのまねをしていることがわかるはずなんだ。
ただ1つ注意が必要なのは、さっきも触れたけど、TTP、つまり徹底的にパクるときに、全部をそのままパクったら絶対にダメだってこと。他の人が作った資料をそのまま使ったり、画像をパクったり、全く同じプロフィールにするのももちろんダメだ。
田中:あ、そういうことなんですね。でもじゃあ、どうすれば……。
宮中先生:TTPのやり方は、自分が「いいな」と思ったものの「考え方」や「取り組み方(やり方)」なんかを参考にさせてもらって、自分の言葉に置き換えること。これが、TTPだよ。フォーマットや流れを参考にさせてもらうってことでもある。
自分がやっていきたいことの戦略や答えは、既にすべて世の中にあると考える。そして、同業のライバル、一歩先を行く先輩がやっているフォーマットを、しっかり自分の中に取り込んで、自分の言葉で書き換えていくんだ。
そして、そこに自分の得意なことやオリジナルの要素、才能、人柄を組み合わせて、他の人との差別化ができるようになっていくんだよ!
田中:なるほど! ありがとうございます。すごく腑に落ちました!!
僕が実際に参加した講座で、「この教え方、上手だな」とか「この自己紹介は面白いな!」と思ったことを取り入れていくってことですね! 理解するほど、だんだん楽しくなってきました!
宮中先生:いいことだね! では次に進んでいくよ!