時計ジャーナリストが勧める、定年退職の自分に贈る「高級時計」とは?

松田さんがお勧めしてくれたのは、世界三大時計にも数えられる高級時計ブランド「パテック フィリップ」。

「最高の時計をつくるための技術革新、美しく普遍性のあるデザインを具現化するために一切妥協しないという経営理念にはブレがありません。そのためにも家族経営に徹しています。満足度の高さ、資産価値が永生保たれる点からお勧めです」

1839年、スイスで創業。自社で時計の心臓部であるムーブメントを開発・製造できるスイスでも数少ないメーカーです。過剰とも思える品質へのこだわりが、ブランドの価値や信頼を育ててきました。そんな「パテック フィリップ」にはさまざまなコレクションがあります。そのなかでもどれかひとつを選ぶとしたら?

「男性であれば『カラトラバRef.5227R-001』はいかがでしょうか」

1932年に誕生したカラトラバは、ラウンド型腕時計の古典として、また「パテック フィリップ」を象徴する最も美しいモデルとして、時計愛好家のファンも多いモデル。そのなかでも5227Rは2013年の登場以来人気を博している自動巻きのコレクションです。細かな説明は省きますが、シンプルで美しい造形はどのようなスタイルであってもマッチしそうです。

「奥様に贈りたいというなら『カラトラバRef.7200R-001』がお勧めです」

カラトラバの長い伝統を継承したレディースモデル。インデックスにブレゲ数字、針にはレディースモデルらしい柔らかい印象のスペード針を採用。落ち着いたローズゴールドのカラーは、どのようなファッションにもマッチします。

松田さんが「パテック フィリップ」を勧めてくれたのは「次世代に受け継ぐことができる時計だから」という理由も。時計は工業製品。いずれは部品がなくなり、修理したくても修理できなくなるというのが一般的。しかし「パテック フィリップ」の場合、たとえ購入から100年が経っていようと、きちんと修理・メンテナンスをしてくれるといいます。その分、オーナーを選ぶブランドともいえそうです。

定年まで頑張った自分に、そしてパートナーに、次世代まで受け継ぐことのできる時計を贈る……なかなか粋なプレゼントになりそうです。

写真左:松田さん所有のカラトラバRef.3796ローズゴールド
写真左:松田さん所有のカラトラバRef.3796ローズゴールド