医療の進歩や飼い主の尽力などさまざまな要因から、犬の平均寿命はいまや「14歳」といわれています。人間と同じように高齢化が進むなか、犬にできるだけ長生きしてもらうにはどうすればいいのでしょうか。現役獣医師で『愛犬と20年いっしょに暮らせる本 いまから間に合うおうちケア』の著者である星野浩子氏が、「犬の老化の進み方」について解説します。
9歳→14歳…犬の平均寿命は伸びている
愛犬に長生きしてほしい――。これはすべての飼い主さんに共通する願いでしょう。
実際、ワンちゃんの寿命は長くなっています。いくつかの調査を見ても、平均寿命はいずれも14歳を超えています。正式な調査ではありませんが、25〜30年くらい前、ワンちゃんの平均寿命は9歳くらいといわれていました。それを思うと、驚異的な伸びです。
背景にある「飼い主の意識の変化」
その理由としては、医療の進歩やフードの質の向上などもありますが、なによりも飼い主さんの意識の変化が大きいと思います。
ワンちゃんをペットとしてではなく、家族として大切にする飼い主さんがほんとうに増えました。私も獣医師として日々飼い主さんと接していて、その愛情の深さに胸を打たれることがよくあります。
そこで、大切なワンちゃんにもっともっと長生きしてほしいと願う飼い主さんに、「愛犬と20年いっしょに暮らす」ための東洋医学の秘訣をお伝えしましょう。
人間の1年は犬にとって「4~5年」
ワンちゃんの年齢のお話をするにあたって、ここで、現代のワンちゃんはどのようなペースで一生を送るのかをまとめておきましょう。なお、犬種や大きさ、個々のワンちゃんによって差は大きいので、あくまでも目安として考えてください。
表にあるとおり、小型犬は1歳が人間の16歳、その後は人間の1年が4年にほぼ相当します。大型犬は1歳が人間の15歳、その後は人間の1年が5年にほぼ相当します。
成犬になるのは早いですね。ワンちゃんを子犬のころから飼っていたなら、覚えている方も多いでしょう。成犬になってからしばらくは安定した成年期がつづきます。