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独走状態だったドルが急落…1週間で2%弱の価値低下
2023年11月17日金曜日、ドル指数が0.49%下落し、103.85となりました。月曜からの5日間の累計下落率は約1.8%で、1週間の下落幅としては今年2番めとなりました。
ドルが弱くなったことで、円は0.69%上昇して1ドル=149.68円となり、約2週間ぶりに150円を下回りました。また、ユーロも0.52%上昇して1.0906ドルとなりました。
ドル指数(US Dollar Index, USDX, DXY)は、アメリカドルの価値を他の主要な通貨バスケットに対して測定する指標です。比較対象となる通貨は、日本円、ユーロ、ポンド、カナダドル、スウェーデンクローナ、スイスフランの6つで、これらに対するドルの交換レートの加重平均で計算されます。1973年のレートを基準値100としており、今年9月に105を超えて以降2ヶ月ほどは高水準を維持し、10月頭と11月頭には107目前まで上昇するなど過熱気味でしたが、冷水を浴びた格好です。
「インフレ鈍化⇒利下げ⇒通貨安」のメカニズム
ドル指数の急落の背景として最も大きいのが「インフレ鈍化による利下げ期待」です。
14日、労働統計局が発表した消費者物価指数のデータによると、10月のCPIは、季節調整済みで変動なし、つまり前月と物価水準が同等となりました。CPIが横ばいとなったのは約1年ぶりのことで、インフレ鈍化を示す確かな根拠と言えるでしょう。また、年間上昇率は3.2%で、目標の2%よりは高いものの、一時に比べば穏やかな上昇率まで下がってきています。
インフレが収まりそうな気配が漂うと、次に期待されるのが利下げです。株価や不動産市場にとってはプラスに働くことが多い利下げですが、通貨価値にはマイナス効果が大きいとされます。利下げが始まると、債権や預金の利回りが下がるため、通貨需要も低下するからです。利下げを待望していた投資家も多いかと思いますが、通貨価値の変動にも気を配りたいものですね。