(※画像提供:株式会社トーシンパートナーズ)

創業35年で1万4,300戸(2023年8月時点)の供給実績をもつ株式会社トーシンパートナーズ。販売にとどまらず、顧客の利益を考えた物件管理やサービスなどを確実に提供することで、バブル崩壊を乗り越え、大きな成長を遂げてきました。今回は、株式会社トーシンパートナーズの小菅信也 執行役員 営業本部 統括部長に、同社が投資家から選ばれ続ける理由を伺います。

「建てれば売れた」バブル時代

東京23区を中心に東京市部や神奈川県の横浜・川崎エリアで、「フェニックスシリーズ」「ZOOMシリーズ」「AELLシリーズ」の3つの自社ブランドで投資用マンションを展開するトーシンパートナーズ。単身者向けのワンルームマンションに特化し、1989年の会社設立以来35年間で286棟(1万4,300戸)の販売実績を積み上げてきた(2023年8月時点)。

 

創業時の1989年と言えば、バブル景気の真っ只中である。不動産は飛ぶように売れた時代だ。

 

“本当の優良物件”を目指して独立

小菅氏「バブル時代は、マンションを建てれば売れました。そのためマンションを供給する不動産業者は、物件の品質よりも販売スピード重視の面が強く、モノによっては粗悪なものもあったといわれています。

 

現在のような資産運用よりも、投機的な意味合いで購入する人が多く、『買って半年で転売していくら儲かった』という世界でした。

 

そんななか、当社の創業者は中堅デベロッパーで営業責任者をしていたのですが、そうした販売手法に疑問を持っていました。お客様に対して不誠実であるという考えから『お客様視点に立った本当に優良な物件を販売したい』という思いで独立し、平成元年に当社を設立しました」
 

株式会社
株式会社トーシンパートナーズ小菅信也 執行役員 営業本部 統括部長

 

このように会社設立の経緯を説明するのは、トーシンパートナーズの小菅信也執行役員 営業本部統括部長だ。

 

ところが会社設立後間もなく、90年代に入ってバブルが崩壊、不動産市況は急激に冷え込む。多くの不動産会社がバタバタと倒れていった。

 

小菅氏「当時、倒産に追い込まれた不動産業者の多くは、マンションのストックを大量に抱えていました。土地を調達して物件をどんどん建てていたところに、バブルが崩壊し、売れなくなって行き詰まったのです」

 

そうした不動産業界の“苦難の時代”を乗り越えて、トーシンパートナーズは事業を着実に拡大し、現在に至っている。

 

小菅氏「バブル崩壊で当社も経営環境が悪化しました。しかし、独立して日が浅かったことに加えて、在庫をほとんど抱えずに事業を営んでいたことが幸いし、バブルの崩壊を乗り越えることができました」

 

確かに、法人設立のタイミングなど、運が味方した部分はあるかもしれない。しかし、そもそも顧客重視の視点で会社を立ち上げている点で、他社とは明確に差別化を図っている。それが今日までの成長を支えてきた根底にあるのは間違いなさそうだ。

 

小菅氏「創業者はきちんとした物件を提供したいというところからスタートしています。販売して終わりではなく、長期的に収益を上げるために、お客様のマンションをしっかり管理して、家賃を維持する。その点にずっとこだわってきました。

 

当社の場合はグループ内に管理会社があります。物件を販売して収益を上げるだけならば、管理会社は必要なく、外部に委託すればいいわけです。実際、そういう不動産業者は多いですが、当社は創業半年後には管理会社を設立していました」

 

独自のシステムで行う「管理」の重要性

前回(不動産投資の成否を左右…値崩れ「しやすい物件」「しにくい物件」の決定的な差)述べたように、マンションの値崩れを防ぐうえで重要になるのが「管理」である。

 

トーシンパートナーズは、マンション購入後の手厚いサポート体制を敷いている。独自のワンストップサービス「TOSシステム(トーシン・オーナー・サポートシステム)」だ。

 

入居者の募集、契約、家賃の集金、更新、管理、建物のメンテナンスなどをグループ会社で一貫サポートし、オーナーのマンション経営を支援している。

 

特に物件の資産価値を長く維持する上で重要になるのが建物管理業務だ。そのため大規模修繕も「30年サイクルの長期修繕計画」を立て、毎月適切な額の修繕積立金を積み立てている。定期的な修繕やリフォームを行うことで、家賃をしっかり得られる状態を保ち、将来的にも安心したマンション経営が行えるよう努めているのだ。

 

また、管理会社の「CS推進課」では、オーナーの専任スタッフが中心となり、所有物件に関するさまざまな問い合わせ、相談に対応している。

 

小菅氏「オーナー様には専任担当者がつき、入居状態や修繕計画を把握しています。オーナー様専用のアプリ『LENZ』を使えば、家賃の入金確認ができるほか、問題発生時には電話やメール以外にチャットでも担当者と話ができます。

 

1つの窓口で一元管理しているので、オーナー様の安心につながっており、高く評価していただいています。これは他社にはない当社の大きな特徴、強みだと思っています」

 

一元管理は大きな強み
オーナー専用アプリ『LENZ』を用いた一元管理は大きな強み

 

実際、同社の顧客にはリピーターが多く、6割以上のオーナーが物件を複数所有しているという。

 

入居者が物件を購入するケースも

小菅氏「ここ数年の特徴として、『ZOOM』にお住まいの入居者が購入するケースが増えています。自分の住むマンションが投資物件であることを知り、自身でも『ZOOM』の新築や中古物件を購入されるのです。住んでいる自分自身が満足しているので、優良な投資商品だと確信されているのだと思います。

 

『ZOOM』の入居者は比較的高収入の方が多く、投資にも関心が高い傾向がみられます」

 

※画像提供:株式会社トーシンパートナーズ
ZOOMシリーズの一例。投資商品としても優良物件だ
※画像提供:株式会社トーシンパートナーズ

 

そうした潜在需要に堪えるために入居者の利便性向上を目的とした専用アプリの提供やライフスタイルメディアを立ち上げ、情報発信などに注力している。これは「ZOOM」のファンになってもらう狙いがある。

 

さらに、「ZOOM」のセカンドブランド「AELLシリーズ」の展開を始めた。

 

小菅氏「都心部ではなく、少し郊外型の物件になりますが、駅徒歩10分圏内という基本条件は『ZOOM』と同じです。

 

そのようなエリアにはアパートや地主が経営する古いマンションが多く、デザイン性の高いワンルームマンションはほとんどありません。家賃を『ZOOM』に比べて少し抑えることで、そうしたエリアにもワンルームの賃貸需要があると考えました。実際、入居希望者は多く、マンション販売も好調です」

 

バブル崩壊を乗り越え、35年にわたって成長を続けてきたトーシンパートナーズ。

 

小菅氏「不動産市場には新しい企業が続々参入してきています。たとえば設立数年の不動産会社の場合、自社ブランドのマンションを持っていたとしても、実績は数年しかありません。マンション投資は長期的な運用が重要になります。数年の実績しかない不動産業者を信頼して投資できるという方は、限られてきます。

 

その点、当社は35年の歴史・実績があります。これは圧倒的な差で、だからこそお客様から安心、信頼していただき、それがこれまでの販売実績に表れているのだと自負しています」

 

 

株式会社トーシンパートナーズ

執行役員 営業本部 統括部長

小菅 信也(こすげ のぶや)