インフレ時は価値が下がりにくい「実物資産」が有利
日本でもインフレ(物価上昇)が本格化しつつある。現金の価値が下がるインフレ時においては、タンス預金や預貯金などの現金を多く保有していると資産が目減りしてしまう。
一方、実物資産はインフレ時には有利に働くとされている。実物資産は「物」そのものに価値があるため、価値が下がりにくいからだ。したがって資産形成では、現金を多く保有するよりも、実物資産を一定割合保有することがインフレ対策や資産防衛につながる。
なかでも優位性が高い「不動産投資」
実物資産には不動産や金・銀などの貴金属、芸術品などがあり、そのなかでも不動産投資は優位性が高いとされている。
鈴木氏「金や芸術品などコレクション類に比べて、不動産はインカムゲインが得られるのが大きな違いです。『物』としての価値が下がりにくいことに加えて、長期的に家賃収入が見込めます。もちろん、売却してキャピタルゲインを得られる可能性もあります」
こう話すのは、トーシンパートナーズの鈴木剛 取締役 営業本部 本部長だ。同社は東京23区を中心に、東京都市部や神奈川県の横浜・川崎エリアで、「フェニックスシリーズ」「ZOOMシリーズ」「AELLシリーズ」の3つの自社ブランドマンションを展開。1989年の会社設立以来35年間で、286棟1万4,300戸(2023年8月時点)の供給実績を持つ。
鈴木氏「老後も安心して暮らせるよう、長期にわたって安定的に収入を得られる『マンション投資』が注目されています。当社は35年にわたってマンション投資のサポートを行ってきました」
「ワンルームマンション」ならサラリーマンも購入可能
マンションのなかでも、同社は単身者向けのワンルームマンションに特化しているのが特徴だ。
鈴木氏「ワンルームマンション投資にはさまざまなメリットがあります。一つは価格が3,000万円前後なので、ビジネスパーソンや公務員であっても不動産投資ローンを活用すれば購入可能な点です。
実際、当社のオーナー様の約半数が30代~50代の会社員や公務員の方々です。年収は800万~1000万円が中心ですが、500万円以上の方からローンは活用できますし、もちろん、1,000万円以上の収入がある方もいらっしゃいます」
ローンを組むとはいえ、千万単位の借金を抱えるとなると、これから投資を始める方や、投資初心者の方は不安を覚えるだろう。
鈴木氏「もちろん大きな投資額ですが、家賃収入がありますから、毎月のローン返済は家賃収入でほぼ相殺されます。そのため実質的には月1万円程度で運用されている方が多くいらっしゃいます。少ない手持ち資金で始められるのがマンション投資の魅力といえます」
“生命保険代わり”にマンションを買う人も
また、ワンルームマンション投資のメリットとして、生命保険の代わりになることも大きいと鈴木氏はいう。
鈴木氏「マンション投資は将来的に長く安定した家賃収入を得ることが一番の目的ですが、オーナー様のなかには家族を守る生命保険の代わりに購入される方も少なくありません。
マンションを購入する際に組むローンは、『団体信用生命保険(団信)』の加入がセットになっています。万が一、不幸にもローン返済の途中でオーナー様が亡くなられたり、ケガや病気で高度障害になったりした場合、ローンの残債がこの保険で完済されます。
ローン完済後のマンションは引き続き家賃収入を得られますし、売却してキャピタルゲインを得ることもできます。残されたご家族にとっても経済的な安心材料となります」
マンション投資でよくあるリスク「流動性の低さ」もカバー
一方で、マンション経営のリスクとしては、空室や家賃滞納、建物修繕、老朽化などが指摘される。また、購入においては物件の良し悪しの見極めが重要になる。ここではなかでも大きなデメリットの一つとされる「流動性の低さ」についてみていこう。
急に手元に現金が必要になった際、株式や債券などの金融資産、金などの実物資産に比べて、不動産は売却して換金するまでにある程度の時間がかかってしまう。
ただ、その点もトーシンパートナーズのワンルームマンションは比較的流動性が高いという。
鈴木氏「当社が単身者用ワンルームマンションに特化しているのは、その流動性の高さも理由のひとつです。当社の物件は入居率98.2%と業界トップクラスを誇ります。つまり、ほとんど常に入居者がいる状態を維持できているということです。
実際、当社の中古物件は非常に人気があり、流動性はかなり高いです。募集をかければ短期間で売れます。物件名を指名してお待ちになるお客様もいるぐらいです」
金利上昇はマンション投資にとって「追い風」
他方、昨今気になるのが金融市場の動向だ。金利が上昇局面を迎えつつあるなか、ワンルームマンション投資にはどのような影響があるのだろうか。
鈴木氏「実需マンションと投資用マンションでは状況がまったく異なります。金利の上昇でローンの支払いが増えると、実需マンションでは家計に直接影響が出ます。
しかし、投資用マンションの場合、金利の引き上げは景気が回復しているということですから、ローンの金利上昇分は家賃に転嫁しやすくなります。ローンの支払いは家賃で賄うので、その点は基本的に問題ないといえます。
反対に、景気がよくなれば収入の増加が期待されますので、マンションの購入者が増えます。そのため当社としては、マンション販売にとって追い風だととらえています。マンション投資を検討している投資家にとっても、いまは購入のチャンスではないかと思います」
景気回復に伴う金利上昇局面のいまは、ワンルームマンション投資にとって好機だと述べる鈴木氏。とはいえ、ワンルームマンションは立地やつくりなど千差万別だけに、その良し悪しの見極めが重要になる。
次回は、ワンルームマンション投資の成否を大きく左右する「値崩れしやすい物件」と「値崩れしにくい物件」の差について、詳しく見ていくことにする。
株式会社トーシンパートナーズ
取締役 営業本部 本部長
鈴木 剛(すずき つよし)